ご飯をおいしく食べるための道具。
「わっぱ」、「おひつ(飯びつ)」をご存知ですか?
わっぱは、お弁当箱として使用している人もいるかもしれませんが、おひつは、炊飯器がメジャーとなった近年、あまり使っている人はいないのではないでしょうか?
【わっぱ・おひつ(飯びつ)とは?】
わっぱとは、杉や檜などを薄板状に加工し、円形状に曲げて作られる木製の箱のことです。
その歴史は古く、奈良時代に木こりが杉の木を薄く削って曲げ、桜の木の皮で縫いとめて作ったのが始まりだと言われています。
お弁当箱として使われることが多く、秋田県で作られる「大舘の曲げわっぱ」は、日本の伝統工芸品として有名です。
おひつ(飯びつ)は、ご飯をおいしく食べるための道具で、炊きあがったご飯を釜から移して保温・保存します。
おひつの歴史も古く、平安時代に誕生したとされています。
【わっぱ・おひつ(飯びつ)のメリット】
①ご飯がおいしい
木が余分な水分を吸ってくれるので、ご飯がベチャベチャになりません。
また、ご飯が冷めてもパサパサにならず、時間が経ってもおいしくいただけます。
②食材が傷みにくい
プラスチックのお弁当箱などに比べて、その木自体が持つ殺菌効果により、食材が傷みにくくなります。
また、ほんのりとした木の香りがご飯をよりおいしく感じさせてくれます。
③見た目がよくなる
わっぱのお弁当箱を使うことで、少し寂し気なおかずでも、見栄えよくなります。
【わっぱ・おひつ(飯びつ)を永く使うために】
素材が木であるため、保管方法によっては、すぐにカビてしまったり、変形してしまうといったことも…。
永く使うには、きちんとお手入れすることが必要です。
使用後は水に少しつけて汚れを浮かし、スポンジで汚れを落として水で洗い流します。
そのあと、布巾で水気を拭き取り、通気性のよいところでしっかりと乾燥させます。
こうすることで、何年も使うことができます。
おひつの使いはじめには、水を上まで張り、酢を大さじ2~3杯入れて2~3時間おき、その後充分に水ですすいで乾燥させるとよいです。
昔の人の知恵と技術がつまった和の道具。
まだまだたくさんあるので、またご紹介しますね。
Text byまち/食育インストラクター