うなぎの蒲焼きの関東と関西での違いとは

〈食育まめ知識〉土用丑の日とうなぎ

夏バテ防止のためにうなぎを食べるという習慣が定着したのは、江戸時代中後期になってから。
売り上げ不振に悩んだうなぎ屋から相談を受けた平賀源内が「今日は土用の丑の日」と書いた張り紙を出して宣伝し繁盛したそうです。
丑(うし)の日に「う」の付く物(うどん・うり・梅干など)食べると体に良いとの言い伝えがあり、「うなぎ」が合致したと考えられます。

【関東=背開き、関西=腹開き】
関東と関西ではうなぎの開き方が違うって知っていますか??
関東(江戸前)では、うなぎは背中から背開きにし、内臓と骨をとって頭を落とします。
その後、白焼きにして蒸し、タレをつけて焼き上げます。
甘くないあっさりしたタレが江戸前風鰻の特徴。
背開きをする理由は、江戸には武士が多かったので腹開きは切腹を連想させるために敬遠されたからといわれています。

関西では、うなぎを腹から腹開きにし、内臓と骨をとりますが頭は切り落としません。
また、関東とは違い、蒸さずにそのまま焼き上げます。
関西風うなぎは「蒸し」の行程がないため、脂が多いのでその脂に負けない強く垂れないトロっとしたタレを使用するのが特徴です。
腹開きにする理由は、大阪は商人の街だったため、「腹を割って話す」ということで腹開きになったといわれています。

【土用の丑の日とは】
土用とは、陰陽五行説で春・夏・秋・冬をそれぞれ木・火・金・水とし、土を各季節の終わりの18日間に当てはめたことから、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間をいいます。
丑の日とは、十二支(じゅうにし)のことで、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の“丑”の事になります。
つまり、土用の丑の日は季節の変わり目である18日間にある、“丑”という日のこと。
年6回ほどある土用の丑の日ですが、うなぎを食べる習慣がある夏の土用の丑の日は、最初に書いたようにうなぎ屋の商売繁盛を狙った日だったんですね。

Text by ざわちゃん/食育インストラクター