日本だけじゃない!世界の食育事情を調べてみた!

2005年に日本で制定された「食育基本法」
諸外国においても、子どもを対象とした食育に関する取り組みが実施されています。
今回は3つの国を例に挙げ、各国の食育事情をご紹介していきます。

【アメリカ】

●5 A DAY
これは、“1日に5皿分(350g)以上の野菜と200gの果物を食べよう”という、アメリカで始まった運動です。
野菜や果物を食べる事が生活習慣病予防に繋がるという研究結果が発表されたのを受け、1991年にスタートしました。
かつてアメリカは日本よりも野菜を食べる量が少なかったのですが、この運動のおかげで1998年頃からは逆転し、アメリカの方が野菜の摂取量が多くなっています。
野菜や果物の栄養価や産地を勉強しながら食べる事で、子ども達は野菜が好きになるのだそうです。
現在、この運動は30か国以上で展開されています。

●食べられる校庭(エディブル スクールヤード)
子ども達自身が、校庭に小麦やとうもろこし、レタスなどの野菜を栽培し、時期が来たら収穫して、自分達で調理して給食で食べるという活動です。
子ども達は育てる方法を学び、食べ物を作る苦労を体験します。
また、食べ物を作ってくれる人達への感謝の気持ちも育みます 


【フランス】

●味覚の1週間
約30年の歴史を有し、8割以上のフランス人に認知されている国民的食育活動です。
フランスで毎年10月の第3週に実施されており、子ども達の感性を育む食体験学習として、一流シェフの指導による味覚の授業(ルソン・ド・グー)、料理コンクール、討論集会が行われます。
ちなみに“味覚の1週間”は日本でも開催しており、今年で8年目になります。
開催日程は2018年10月15日~21日で、この期間中は日本各地の小学校やレストランなどで五感を使って味わう事の大切さや食の楽しみを体感出来る様々な取り組みが実施されます。
その他、フランスでは家族が農家ステイをしながら、農業体験や地域料理を楽しむ教育農場制度も実施しています。
国と民間が共同で取り組む食育運動は、多くの国でお手本とされています。

【韓国】

人間の身体(身)と大地(土)は分けることの出来ない一体のものという意味の「身土不二(しんどふじ)」をスローガンに、地産地消を推進する運動が行なわれています。
2009年に「食生活教育支援法」が制定されるまでは「栄養教育」として栄養に対する教育だけであったものが、より幅広い教育を実施するようになりました。
このように韓国では食育ではなく食生活教育として、小学校から高等学校まで各学 校で自律的に実施されています。

皆さん、ご存知のものはありましたか?
今回は子どもを対象とした各国の取り組みをご紹介しましたが、“食育”は食育基本法で述べられているように、「生きる上での基本」であり、「あらゆる世代の国民に必要なもの」です。
私達大人も含めて、家庭でもしっかりと取り組みましょう。

Text by ろい/食育インストラクター