私たちが食品を選ぶ際、値段以外にどのようなことを基準に商品を選んだらよいのでしょうか?
今回は2015年4月に施行された「食品表示法」に沿って全2回に渡ってお伝えしていきたいと思います。
【「食品表示法」とは?】
これまで食品表示に関するルールは「JAS法」「食品衛生法」「健康増進法」3つの法律で定められており、複雑で分かりにくいものとなっていました。
そこでより分かりやすい制度とするために、食品表示の規定を統合する「食品表示法」が、2015年4月より施行されました。
【何が変わったの?】
従来の表示ルールを一元化することで、新設・変更点はいくつかありますが、今回はそのうち大きく変わった4点をピックアップしてご紹介します。
①加工食品の栄養成分表示の義務化
これまで栄養成分表示は事業者の「任意表示」でしたが、原則として、すべての加工食品と添加物に栄養成分表示(「熱量(エネルギー)」「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」「ナトリウム」の5項目)が義務付けられました。
このうちナトリウムは原則として「食塩相当量〇g」のように、食塩相当量に換算して表示されることになりました。
(※ナトリウムと食塩相当量は同一ではありませんが、一般の消費者に分かりやすい食塩相当量に換算しています。
またナトリウム塩を添加していない場合のみ、任意ルールで食品に含まれるナトリウム量を示し、その後に食塩相当量をカッコ付きで表示することができます。)
糖類、糖質、コレステロール、ビタミン・ミネラル類などは任意表示となっており、「飽和脂肪酸」「食物繊維」(2項目)は積極的に表示することが望ましいとされています。
②アレルギー表示の改善
☆表示を義務化された7品目
卵・乳・小麦・そば・落花生・かに・えび
☆奨励される20品目
牛肉・豚肉・鶏肉・さば・鮭・いくら・いか・あわび・ごま・大豆・まつたけ・くるみ・やまいも・ゼラチン・カシューナッツ・りんご・もも・オレンジ・キウイフルーツ・バナナ
原則として原材料ごとに含まれるアレルゲンが「個別表示」となりました。
「個別表示」が難しい場合はそこに含まれるアレルゲンをまとめて「一括表示」することができます。
③原材料と添加物の間を、明確に区分をつけて表示
これまで原材料と添加物を区別せず重量順に表示するとされてきた品目については原材料と添加物の間を「/」「改行」「別欄」などで区別し、さらに割合の高いものから順に表示します。
④「機能性表示食品」の新設
「機能性表示食品」とは、健康の維持および増進に役立つことが期待できるという「機能性」を表示できる食品のことです。
つまり、特定保健用食品(トクホ)のように消費者庁の審査・許可を受けたものではなく、消費者庁長官に届け出た安全や機能性に関する一定の科学的根拠に基づいて、事業者の責任において表示を行うものです。
なお今回変更となった食品表示については、店頭に並ぶすべての食品表示が一斉に変わるわけではありません。
新しい表示に切り替えるまで食品によって猶予期間があるので注意してくださいね。
次回は、「食品添加物」についてお伝えします♪
Text by くまこ/食育インストラクター