春と言えば楽しみなのは桜ですね。
そして桜もちが出回る季節でもあります。
関東の桜もちと、関西の桜もちは見た目が違うものというのは今や常識ですが、何がどう違うか今日は書いてみます。
関東の桜もちは「長命寺の桜もち」
関西の桜もちは「道明寺の桜もち」
と言われていて、どちらもお寺に縁があります。
【それぞれの由縁】
関東の桜もちが長命寺の、と言われる理由は、江戸時代に長命寺の門番をしていた新六さんという方が桜の葉の掃除に苦労していて、その桜の葉をなんとか使えないものかと考えて、桜の葉を塩漬けにし、小麦粉を溶いて作った生地を焼いてあんこを包んで桜の葉で包んだそうです。
関西の道明寺の桜もちは、道明寺が千年以上も前に発案した「道明寺糒(ほしい)」(兵糧)という今でいう道明寺粉(もち米を蒸してから乾燥させて粗く挽いたもの)を使ってあんこ全体を包み、桜の葉の塩漬けで包んで作ったものだから道明寺の桜もち、というそうですよ。
関東では、関東の桜もちは「焼き皮の桜もち」や「桜もち」で売られ、関西の桜もちは「道明寺」や「道明寺粉の桜もち」と明記して売られているみたいです。
確かに注意してお店の商品を見てみるとハッキリ書いてありますね。
小麦粉のうす焼き皮で作った桜もちと、道明寺粉の桜もちは見た目が違うので間違えて買っちゃった!なんて事はないと思いますが、名前の違いや起源などを知っているとちょっと見る目が変わりますよね。
【桜の葉の生産地】
ちなみに桜もちには欠かせない桜の葉はほぼ伊豆で生産されていて、オオシマザクラという品種の桜の葉を使っているそうです。
桜の葉は塩漬けする事によって生の状態ではない「クマリン」という香り成分が生まれて、あの独特の桜の香りがするのだそうです。
【桜餅の皮の作り方】
最後に簡単にそれぞれの皮の作り方を書きます。
☆焼き皮の桜もち
・薄力粉…40g
・白玉粉…10g
・砂糖…10g
・水…100ml
1.ボウルに白玉粉・砂糖を入れ、水を少しずつ混ぜながら加えて溶かす。
2.薄力粉を加えて空気が混ざらないように静かに混ぜ、ザルで漉して1時間程休ませる。
3.フライパンに薄く油を敷き、生地を大さじ3程流し入れスプーンの底で細長く伸ばす。
4.焼き色がつかないように気を付け、生地の表面が乾いてきたら裏返してサッと焼いて冷ます。冷めたらあんこを巻く。
☆道明寺の桜もち
・道明寺粉…75g
・砂糖…10g
・熱湯…1カップ
1.道明寺粉を水でサッと洗い水気を切る。
2.耐熱容器に道明寺粉・砂糖・熱湯を加えてサッと混ぜ、ラップをして15分程おく。
3.15分経ったら混ぜて、再びラップをして電子レンジ500wで2分加熱し、ラップをかけたまま15分蒸らす。
4.ラップを外し、粘り気が出るまで混ぜ、あんこを包む。
道明寺粉の桜もちを包む時は砂糖水(砂糖1:水1)を手につけて包むと手につきにくく、桜もち自体も乾燥しにくくなります。
どちらの生地も、少量の食紅を加えることでピンク色の皮にすることができます。
是非ご家庭で試してみてください。
Text by ふーみん/食育インストラクター