最近「もなか」が密かなブームになっているのをご存知ですか?
一般的に「もなか」といえば、薄く香ばしく焼いた皮で餡をはさんだ和菓子を想像します。
でも、「もなか」ができたとされる200年ほど前は違ったようです。
【そもそも「もなか」とは】
「もなか」ができた当初は、形は丸で餡は挟んでいない状態、つまり「もなかの皮」だけだったようです。
平安時代の歌人が詠んだ句から引用して「最中の月」という名で江戸の花街吉原の菓子屋が売り出したのが始まりとされています。
そして、この最中の月というのが中秋の名月を指す言葉だそうです。
その後の江戸時代の文献には「最中まんじゅう」という記述があり、これが私たちにも馴染みのある餡をはさんだ「もなか」だったようです。
【こだわりの「もなか」の皮を作ってみる!?】
チャレンジしてみようと私も作ってみましたが、市販の商品のようなサクサクパリパリとしたクリスピー感がなかなか出せませんでした。
作り方は、もち米の粉と水を生地にして薄くのばし、型に入れて焼くという工程なのですが、手作りしたときは「もなか」というより、お餅が香ばしく焼けている状態でした。
実際のお菓子屋さんでも、もなかの皮のほとんどは専門業者で作られているそうで、中には通信販売で小売りをしているところもあるので、もなかの皮が欲しい方はそちらでお求めになることをおすすめします。
【今どき「もなか」のバリエーション】
型さえあれば色々な形に出来るため、昔から、皮の形には店や地域色を出した個性的なものが多くあります。
最近では、ハートや星などかわいらしい形をしたものをはじめ、皮の色もフランスのマカロンのようにカラフルにしたものが色々と登場しています。
さらに、中にはさむ「あん」は、もはやスイーツと言った方がよいくらいバリエーションが豊富で、イチゴフレーバーのものやラムネ味が登場したり、注文を受けてからアイスをサンドして、パリパリのもなかの皮とアイスのクリーミーさを楽しむものも登場しています。
食べ方としては、お椀に粉しるこの入ったもなかを入れてお湯を注いだ懐中汁粉が定番ですが、最近では「あん」の部分にフリーズドライの具材を入れたお吸い物や味噌汁、洋風のスープまで登場しています。
こんなにバリエーション豊富な「もなか」なので、もしも、もなかの皮だけが手に入るなら自分流に楽しむのもよいですよね。
例えば、「和風アフタヌーンティ」にしてはいかがでしょう。
私はポテトサラダやチーズ、白あんにフリーズドライのイチゴを混ぜたものを皮ではさみ、緑茶と一緒にいただきました。
古くて新しい「もなか」をみなさまも楽しんでみてはいかがでしょうか。
Text by ゆず/食育インストラクター