昨今は大勢の外国の方が日本を訪れているので、国内に居ながら異文化交流をされている方もいらっしゃると思います。
今回はそんな諸外国の方々と交流する際の「食事のマナー」についてご紹介します!
前編となる今回は、もてなす側になった時の注意点です。
【マナーのルーツに宗教あり?】
日本の食文化は仏教と密接な関わりがあることは過去の記事でも記述してきましたが、それは海外でも同じです。
食文化と宗教は切っても切れない関係にあるといっても過言ではありません。
現代の日本で暮らしていると宗教上の食のタブーはあまり気にしたことが無いという方が多いかと思いますが、これは世界的に見るとかなり珍しいことです。
外国人の方はその大多数が何らかの宗教を(程度の差はありますが)信仰されているので、食のタブーを持っている可能性が非常に高いと考えて良いでしょう。
【食べ方や作法も大事だけれど、その前に】
日本国外では一緒に食事をする相手の食べられないものを事前に確認するのが一般的です。
日本で「何か食べられないものはある?」と聞かれると好き嫌いや食物アレルギーの確認ぐらいの意味合いがほとんどだと思いますが、海外では「(あなたの信仰上で)食べられないものはなんですか?」
と聞かれていると考えて良いでしょう(もちろん、食物アレルギーや好き嫌いのことも含めて聞かれているのですが)。
テーブルマナーや所作はもちろん大事なことですが、マナーとは一緒に食事をする相手を不快にさせないためにあるものです。
そのため、海外の方を食事にお誘いする時は何よりもまずこちらを確認するのが、楽しい食事の時間に繋がる大事な要素です。
特に、「せっかく日本に来たから日本食が食べたい!」と仰っている方をお店に連れて行く時には確認しておく方が無難です。
例えば信仰上で海産物が食べられない方にとっては、出汁に使われているかつお節などもNGとなります。
そして、日本食で出汁を外すことはとても難しく、即時対応できないお店も少なくありません。
せっかくお店に連れて行ったのに、ほとんどの料理が食べられない!
こんなことにならないためにも、事前の確認を忘れないことは大事なマナーといえるでしょう。
ちなみに確認する際は宗教や食文化などの話は持ち出さず「食べられないものはありますか?」
と聞くだけで大丈夫です。
食のタブーがある方でも、異文化体験を目的とし、滞在先の習慣や文化に合わせる方もいらっしゃいます。
画一的に考えず、相手に合わせたおもてなしができると良いですね。
Text by はむこ/食育インストラクター