新暦の「重陽の節句」は9月9日ですが、節句に使われる菊や栗などを楽しむため、それが多く出回る旧暦の9月9日にあたる10月に重陽の節句を行うところも多いようです。
今回は、重陽の節句にちなんだ、菊の形をした和菓子「着せ綿」のお話です。
【なぜ、重陽の節句と言うの?】
「9」は陰陽道で、縁起がよいとされる「陽」の数字(奇数)の最も大きい数字であり、陽が重なることから「重陽の節句」となりました。
この日は、別名「菊の節句」とも呼ばれ、日本では、「着せ綿」という風習が伝えられています。
これは、9月8日の夜に菊の花に綿をかぶせ、翌朝、菊の香りと露を含んだ綿で体をぬぐうというもので、そうすることで、邪気払いや不老長寿を願っていました。
行事としては平安時代に始まりましたが、当時は細かい決まりはなかったようです。
しかし、近世になると「白菊には黄色い綿、黄菊には赤い綿、赤菊には白い綿を使う」と言った細かい決まり事が出来ました。
【お家で作ろう!「着せ綿」レシピ】
着せ綿は、あんに小麦粉やもち粉などを混ぜて蒸して作る「こなし」であんを包んだ上生菓子です。
今回はレンジで簡単に作れる「着せ綿」レシピをご紹介します。
<材料(10個分)>
白玉粉・・10g
水・・適量
白あん・・200g
色粉(赤)・・少々
こしあん・・150g
<作り方>
- ボウルに白玉粉を入れ、水を少しずつ加えて耳たぶ位のかたさになるまでよくこねる。
- 鍋に湯を沸かし、手のひらで軽く押さえて平たくした(1)を入れる。
浮き上がってきたら、さらに2~3分ゆでて取り出す。 - 耐熱ボウルに白あんを入れてペーパータオルをかぶせ、600wの電子レンジで1~2分加熱し、水分をとばす。
(ペーパータオルをかぶせることで、あんの水分をムラなくとばします。) - (3)に(2)を加えてよく混ぜ、ペーパータオルをかぶせて600wの電子レンジで1分加熱し、さらによく混ぜる。
- (4)を小さくちぎってバット等に広げ、少し冷めたら生地を合わせてこね、ひとまとめにする。
- (5)の工程を、生地が白くなり、引っぱるとなめらかに伸びるようになるまで2~3回繰り返す。
- 出来上がった生地を10gほど別に取り、残りを水で溶いた色粉で色づけする。
- こしあんと生地を10等分に分ける。
生地を丸めて手のひらで少し伸ばし、こしあんを包んで軽く上から押さえる。 - (8)に菊の模様をつけ、目の細かいこし器でこした白い生地を中央にのせる。
2018年は10月17日が旧暦における9月9日、重陽の節句です。
ぜひ、お家で着せ綿を作ってみてはいかがですか?
Text byまち/食育インストラクター