クリスマスのお菓子といえば、日本ではデコレーションケーキが一般的ですが、世界で食べられるクリスマス菓子にはさまざまなものがあります。
今回は国ごとに代表的なお菓子を、いくつかご紹介したいと思います(^^)
【クリスマスシーズンとは】
クリスマスシーズンは、11月30日に最も近い日曜日から始まり、12月24日までを「待降節」(アドヴェント)と呼び、町はクリスマスムード一色になります。
クリスマス菓子の仕込みが始まるのもこの頃で、出来上がった菓子をクリスマスに向けて少しずつ味わう習慣もあります。
【各国のクリスマス菓子】
●フランス
<ビュッシュ・ド・ノエル/Bûche de Noël>
フランスのクリスマス菓子といえば、日本でも有名な“切り株”の形をしたお菓子「ビュッシュ・ド・ノエル」があります。
ビュッシュは木や切り株、ノエルはクリスマスを意味します。
クラシカルなタイプはアーモンド風味の生地にバタークリームを巻き込んで、表面に木目模様やツタの飾りやメレンゲでつくったキノコなどをデコレーションします。
最近では味や形もバリエーションが豊富です。
<ブレデル/Bredele>
フランスの北西部アルザス地方でクリスマスの時期に食べられるクッキーの総称です。
色々な形をしていて、プレーンなものからスパイスの入ったクッキーなどさまざまあります。
<ヴェラヴェッカ/Berawecka>
フランス北西部のアルザス地方で中世のころから作られている「洋梨のパン」という意味のお菓子です。
イースト生地はつなぎ程度で、ドライフルーツをかためてそのまま食べているような濃厚でぜいたくな味わいです。
●ドイツ
<シュトレン/Stollen>
ドイツドレスデン発祥の伝統的なお菓子で、ナッツ類とドライフルーツを使ったずっしりと重い発酵菓子で、表面には砂糖がまぶされています。
日持ちするため11月から少しずつ切り分けて食べ始め、クリスマスを迎えます。
<レープクーヘン/ Lebkuchen>
ハチミツがたっぷりの生地にシナモン、グローブ、コリアンダーなどの香辛料が入った焼き菓子です。
丸く平たい形でアイシングやチョコレートでコーティングされたものが一般的ですが、ハート型のものや中にジャムを入れたものもあります。
レープクーヘンを使って「ヘンゼルとグレーテル」に出てくるようなお菓子の家「ヘクセンハウス」を作ったりもします。
レープクーヘンは日持ちするので飾りとしてのヘクセンハウスを楽しんだ後はみんなで食べてしまいます。
●イタリア
<パネットーネ/Panettone>
待降節になると家庭でつくられるイタリア伝統の菓子パンのひとつです。
レーズンやオレンジ、ドライフルーツが入っています。
防腐・防菌力に優れたパネットーネ酵母(仔牛の小腸から採取される特殊なイースト)を用いて作られるため、なんと6か月も日持ちするそうです。
<パンドーロ/Pandoro>
パネットーネと人気を二分する「パンドーロ」は、ドライフルーツなどを入れず、生地がやわらかく卵が多めに入った黄金色のパン菓子です。
先端のない円錐型で星形にえぐれた独特な形で、非常に細かな粉砂糖をまぶして食べます。
●スペイン
<トゥロン/Turron>
焙煎したアーモンドとハチミツ、砂糖、卵白などを原料としたお菓子です。
イタリアではトローネ、フランスではヌガーとして今に伝わっています。
●オーストリア
<クグロフ/Gugelhupf(Kugelhopf)>
アルザス地方伝統の「クグロフ」は、オーストリアの他、スイス、フランスなどでも食べられるお菓子です。
この独特の形の“クグロフ型”がどの家庭にもあり、ブリオッシュ風の生地にアーモンドなどを入れて作ります。
マリー・アントワネットの好物として知られます。
●イギリス
<クリスマスプディング/Christmas pudding>
いわゆる“プリン”と呼ばれるカスタードプディングとは大きく異なり、ずっしりとしたケーキタイプのものです。
ブランデーなどに漬けてやわらかくしたドライフルーツやスパイス、牛脂などを生地に加えて蒸し、1か月ほど熟成します。
そして、食べる前に再度加熱し、フランベ(ブランデーをかけて火をつけアルコールを飛ばす)します。
さらにクリームやバターなどを添えて食べるそうです。
<ミンスパイ/Mince pie>
もともとはミンス(みじん切り)にした肉にスパイスを加えたミートパイでした。
19世紀頃からドライフルーツとスパイスを詰めたパイへと変化しました。
クリスマスから12日間、1つずつ食べると幸運に恵まれるそうです。
まだまだ各国では、さまざまなクリスマスのお菓子があります。
今回は一部紹介させていただきましたが、本当にたくさんの種類がありますね!
日本でも各国のお菓子が食べられるようになってきましたが、知らないものがたくさんありました。
みなさんもいつもと少し違ったクリスマスのお菓子で迎えてみてはいかがでしょうか(#^^#)
Text by ナナちゃん/食育インストラクター