ソース・ケチャップ・マヨネーズと言えば、どこのご家庭にもありそうな調味料ですよね!
これらの調味料はどのように日本へやってきたのでしょうか?
今回はソース・ケチャップ・マヨネーズのルーツに迫ります。
まずはソース!
日本でいうソースは「ウスターソース」のこと。
「中濃ソース」や「濃厚ソース(とんかつソース)」なども「ウスターソース」の仲間です。
【ウスターソースのルーツは?】
発祥の地はイギリスのウスターシャー州ウスターで、起源については諸説あります。
一説はイギリスのウスターシャーに住む主婦が、野菜や果物の切れ端を香辛料や、塩や酢と混ぜて保存しておいたところ熟成されておいしいソースになったというのが始まり。
他説は19世紀半ば、インド・ベンガル州総督の任務を終え、ふるさとであるイギリス・ウスターシャーに帰国したマーカス・サンデー卿が、インドで魅了されたソースをウスターシャーに持ち帰り、薬剤師(現在のリー&ペリン社)に再現させた。
のちに日本に伝わったウスターソースは幕末から明治維新の頃に東京、横浜、神戸などの洋食店で使われ始めましたが、酸味や香辛料の味が強すぎて定着しなかったようです。
その後、明治27年以降、日本人の味覚に合ったソースが次々発売されるようになったようです。
次は「ケチャップ」!
日本で「ケチャップ」といえば「トマトケチャップ」ですが、実は魚介類や野菜、きのこなどを原料にしたソース状の調味料をさし、特にトマトを用いたものが「トマトケチャップ」と呼ばれます。
【トマトケチャップのルーツは?】
ニューヨークに保存されている1795年に書かれた料理写本によると、新大陸アメリカに渡ったイギリスの移民たちが、当時普及し始めたトマトを使って作ったのが始まりだとされています。
甘味も酸味も貧弱なソース状のもので、現在のケチャップの味とは程遠いものでした。
19世紀半ばにカリブ海諸国から砂糖が大量輸入されるようになると砂糖で調味することが定着。
砂糖を加えることで保存性も高まり、さらに改良を重ね、甘味と酸味のバランスがとれた現在のケチャップになったようです。
日本では1896年、横浜の清水屋というメーカーが初とされています。
子どもから大人まで大人気のマヨネーズは?
【マヨネーズのルーツは?】
諸説ありますが、有力なのはスペインのメノルカ島での出来事です。
18世紀半ば、当時イギリス領だったメノルカ島にフランス軍が攻撃をしかけました。
その時にフランス側の指揮をとっていた公爵が、この島にあるマオンのレストランで口にしたソースを気に入り、のちにパリで「マオンネーズ(マオンのソース)」として紹介して、それが「マヨネーズ」になったのだとか。
その後、キューピーの創始者・中島董一郎が、アメリカでマヨネーズと出会い、その味に魅了されました。
帰国後、日本人の体格向上を願って、当時の海外品と比べて2倍の卵黄を使用し、工夫を重ねて発売されるようになったそうです。
いかがでしたか?
今では当たり前の調味料。
昔は苦労を重ねて今の美味しいソース・ケチャップ・マヨネーズができあがったのですね!
Text by くまこ/食育インストラクター