日本は災害大国と呼ばれるほど自然災害が起こりやすい環境にあり、私たちはそのなかで日々暮らしています。
災害が発生した場合、一時的にライフラインや物流が寸断された状況で過ごさなくてはならないかもしれません。
そんなとき、いかにいつものように食事をすることが出来るかも重要になってきます。
前回からシリーズでお届けしている、「災害レシピ」。
今回は湯せんで作る「ナポリタン」と「やきとり缶カレー」をご紹介します。
【災害に備えた「備蓄」のコツ】
普段食べている食品を少し多めに買い置きし、食べたらその分を買い足し備蓄していく方法を、「ローリングストック法」といいます。
この方法を用いれば、自分が災害にあったときに「消費期限が切れていて食べられない」ということを無くすことが出来ます。
ストックには、缶詰や乾麺、フリーズドライ食品、ビスケットなどのすぐにエネルギー源を確保できる食品をはじめ、水分を補給する水やお茶、野菜ジュース、そして、心をほっとさせる、フルーツの缶詰やようかんなどがおすすめです。
すぐに食べることの出来る食パンを冷凍保存しておけば、いざというときに水も火も使わず、解凍してそのまま食べることが出来ます。
また、食品だけでなく、ポリ袋やゴミ袋、ラップやアルミホイル、使い捨て容器や割り箸、そしてカセットコンロとガスボンベなども災害時の食事に役立ちます。
普段から気にして少し多めにストックしておくとよいですね。
【ナポリタン】
通常たくさんの水を使うパスタ料理。
でも災害時に貴重な水をたくさん使って料理を作ることは出来ません。
そこで、登場するのが「ポリ袋」です。
ポリ袋を使えば、大量の湯でスパゲティをゆでずに、温かいパスタが作れます。
<材料(1人分)> 調理時間:30分
スパゲティ・・80g
玉ねぎ・・1/4個
ウインナー・・2本
トマトジュース(食塩不使用)・・1缶(190ml)
トマトケチャップ・・大さじ2
コンソメ顆粒・・小さじ1/2~1
サラダ油・・小さじ1/2
<作り方>
- 鍋に湯を沸かしておく。
- 玉ねぎは薄切りに、ウインナーは3~4等分のななめ切りにする。
- 2重にしたポリ袋に半分に折ったスパゲティと残りの材料をすべて入れる。
- 袋を破かないように注意しながら空気を抜き、袋の上部を縛る。
- (1)の鍋底に皿を置き、(4)を入れて蓋をし、10分ゆでる。
- 湯から袋を取り出し、麺をほぐして再び10~15分ゆでて完成!
ウインナーのかわりにハム・ベーコンなどを使っても、おいしく作れます。
【やきとり缶カレー】
ごはんとカレーを一緒の鍋で調理。
やきとり缶は、ツナ缶やさば缶など、家にストックのあるものでOKです。
<材料(1人分)> 調理時間:35分(浸水時間は除く)
米・・100g
水・・120ml
やきとり缶(たれ味)・・1缶
玉ねぎ・・1/4個
水・・50ml
カレールウ・・1かけ
<作り方>
- 1.鍋に湯を沸かしておく。
- 2重にしたポリ袋に米と水を入れ、空気を抜いて袋の上部を縛り、15~20分浸水させる。
- 玉ねぎは薄切りにする。
- 別の2重にしたポリ袋に、やきとり缶(たれごと)・水・カレールウを入れてよく溶かす。
玉ねぎを加えて軽く混ぜ、空気を抜いて袋の上部を縛る。 - (1)の鍋底に皿を置き、(2)・(4)を入れて蓋をし、25~30分ゆでる。
- ごはんの上にカレーをかけて完成!
ポリ袋を使っているので、沸かした湯はほかのことに使うことが出来ます。
また、器にポリ袋に入れたまま料理を盛りつければ、器が汚れることなく、水の節約に繋がります。
いつ、どのタイミングで自分が災害にあうかは、分かりません。
不安な状況のなか、温かい料理が食べられることは、体だけでなく、心も温かくなり、安心にもつながります。
もしものときに備え、自分で出来ることから始めて行きましょう。
Text by まち/食育インストラクター