世界食糧デーとは、国連が制定した世界の食料問題を考える日です。
1979年の第20回国連食糧農業機関(FAO)総会の決議に基づき、1981年から世界共通の日として制定されました。
世界の一人一人が協力しあい、最も重要な基本的人権である「すべての人に食料を」を現実のものにし、世界に広がる栄養不良、飢餓、極度の貧困を解決していくことを目的としています。
【食品ロスと食料自給率】
現在の日本で捨てられている食べ物は年間1700万トン。
まだ食べられるのに捨てられている食べ物(食べ残しや賞味期限切れのもの)、いわゆる「食品ロス」が日本では年間500万トン~800万トンにも上ります。
これを日本人1人当たりに換算すると、毎日おにぎり約1~2個分を捨てていることなります。
日本の食料自給率は現在39%。約4割の食料を日本国内で生産し、約6割の食料を海外からの輸入に頼っています。
日本の食料自給率が減少した要因には、食の欧米化が進んだことで食生活が変化し、自給率100%に近い米を食べなくなったことなどがあげられます。
私たちは、必要以上に食べ物を輸入しながら、大量に捨てています。
食品ロスを減らし、食料自給率を上げていくには、日本国内での地産地消や私たち個人による食を選ぶ力を高め、食べ物を無駄なく大切に消費する必要があります。
【世界の飢餓問題】
世界的に見てみるとすべての人が十分に食べられるだけの食料は生産されているのに7億9500万人が飢餓に苦しんでいます。
飢餓とは食料を十分に手に入れることができず、慢性的な栄養不良になることです。
栄養不良は子どもの発育を妨げ、大人の体力を奪い、病気を引き起こします。
生命を維持するだけではなく、健康で社会的な活動を行うためにも十分な食料を得る必要があります。
飢餓問題は、食料不足だけでなく人間が作り出す環境問題や資源問題が関係しているようです。
例えば、地球温暖化の影響で、雨季に雨が降らなかったり、今までにない集中豪雨に襲われたりして、作物の収穫量に大きな影響が出ています。
日本のような先進国は、たとえ農作物が不作の年があっても、世界中から食べ物を買って手に入れることができます。
しかし、開発途上国では、買うための十分な収入が得られないことで飢餓に繋がってしまうのです。
私たちは食べ物に恵まれ、好きなものを好きな時に好きなだけ食べられる環境にいますが、世界には食料を手にすることすら困難な人たちがいます。
全く関係ないようですが、日本が直面している食品ロスや食料自給率が世界の飢餓と関わっていることを知り、普段の食生活や食への考え方を見直してみましょう。
Text by ざわちゃん/食育インストラクター