今回は牛(家畜牛)について調べました♪
パパッと簡単肉巻きおにぎりもご紹介します!
【起源】
家畜牛の祖先はオーロックスと呼ばれる、野生の牛の一種です。
オーロックスは数百万年前に起源を発し、世界中に広がったとされています。
野生のオーロックスは乱獲などにより数が激減し、約400年前に最後の1頭が亡くなり、絶滅してしまいました。
1万5000年ほど前に描かれたとされるフランスのラスコー洞窟壁画が有名ですが、そこに描かれている牛もオーロックスだといわれています。
【用途】
家畜牛は食肉用のほか、乳を得るための乳牛や日本では近年見かけなくなってきましたが、田畑を耕す手伝いをしたりと様々です。
また、世界では闘牛といって牛と人が闘うパフォーマンスをする国もあります。
牛を神聖な神の使いととらえ、食べる事を禁じている国もあります。
【部位】
ここからは、食用牛の部位をご紹介します。
※牛の部位分けは用途や地域によって若干の違いがありますので、ここでは一般的な名称等でご紹介します。
●ネック(首)
牛の首にあたる部位。
よく動かす部分で、肉質は粗くかため。
スジが多く、ゼラチン質が豊富なので、長時間煮込んだり、スープのダシにすると美味しいです。
また、脂分が少なく、うま味の強い赤身肉なので、他のかため部位(すね等)と一緒に挽き肉にされます。
●肩
前足の付け根にあたる部位。
ネック同様、全体的な肉質はかため。
スジが多くゼラチン質に富むので、煮込み等がおススメです。
ですが、スジや膜を取り除き、小さなブロックに分けると、比較的柔らかな部分もあるため、焼肉にしても美味しいです。
焼肉店で「マクラ」や「トウガラシ」、「ミスジ」「サンカク」等と呼んでいるのは肩に属する部位です。
●肩ロース
牛の背肉の中で、首に一番近い部位です。
背骨を挟んで両側にあり、1つの塊が20~30kgにもなります。
霜降りと呼ばれる筋肉に脂肪が入った状態になる部位で、肉質は柔らかできめが細かいのが特徴です。
厚切りよりも薄く切っていただくしゃぶしゃぶやすき焼きがおススメ。
焼肉店では「ざぶとん」「くらした」等と呼ばれています。
●リブロース
背肉の真ん中に位置する部位です。
ローストビーフやしゃぶしゃぶ、ステーキなど、厚切りでも薄く切っても美味しいです。
霜降りになりやすいので、牛の味を存分に堪能できます。
●サーロイン
牛の腰辺りに位置する背肉で、長さは60cm程。
英国の王様に「Sir.(サー)」の称号を与えられるほど、牛の中で最も美味しいとされる部位です。
あまり動かさないので、きめが細かく、肉質は柔らか。
肉全体が霜降り状になります。
ステーキやしゃぶしゃぶ、ローストビーフ等、様々な食べ方が出来ます。
「Tボーンステーキ」はサーロインを内側のヒレ肉も一緒に骨付きでカットしたものです。
●ヒレ
サーロインの内側の肉で、直径15cm前後、長さ60cmの細長い部位です。
ほとんど動かず、脂肪分も入らないとても柔らかな赤身肉です。
脂分がないので、焼き過ぎるとパサパサになってしまいます。
ステーキにする他、あっさりとしているので、カツ等の油を使う料理もおススメです。
フランスの小説家であり政治家でもあるシャトーブリアンの名が付いたステーキはヒレの一番太い部分を使った、最高級赤身肉ステーキです。
●バラ
あばら骨周辺の肉で、前足に近い方は「肩バラ(うでバラ・三角バラ)」、お腹回りの方を「ともバラ(外側を「そとバラ」、内側を「うちバラ」と分ける場合も)」と言います。
よく動く部位なので、肉質はかたく、キメは粗めです。
また、脂肪部分と肉が交互に重なったように見える事から「三枚肉」と呼ばれます。
脂分が多いので、下茹でや焼いて脂分を落としてから使用すると食べやすくなります。
塊のまま角煮やカレーにしたり、薄切りで牛丼や焼肉にしても美味しいです。
焼肉でお馴染みの「カルビ」はこの部位を指す韓国語です。
●もも
もも肉は大きく分けて「外もも」「内もも」に分かれます。
どちらも脂肪の少ない赤身肉ですが、外ももの肉質はかためです。
じっくり煮込むポトフや、薄切りで炒め物にすると美味しくいただけます。
内ももは薄切りにして使用するほか、塊でローストビーフや煮込みにします。
ステーキが食べたいけど、脂肪が苦手という方には内ももを使った「ラウンドステーキ」がおススメ。
弾力があり、食べ応え十分です。
●ランプ
サーロインに続くもも肉の一部で、お尻側の「イチボ」と併せ、「ランイチ」と呼ばれる事もあります。
ランプはもも肉の中で比較的柔らかな肉質で、ステーキやローストビーフなどに向きます。
●すね
牛のふくらはぎにあたる部位で、前を「まえずね」後ろを「ともずね」といいます。
よく動くため、筋が多いですが、肉のうま味が濃く、コラーゲンたっぷり!
塊で長時間煮ると、プルプル食感がやみ付きです。
また、挽き肉にはすねが一番おいしいと言われています。
その他、レバーや心臓、ホルモン(腸や胃など)、皮(かばんや財布などに加工)、骨(スープ等を取る)など、ほとんど捨てることなく使用しています。
【栄養】
部位によって多少栄養のバランスは違いますが、私達の体を維持するのに大切なたんぱく質、貧血予防に役立つ鉄、疲労回復や体の調子を整えるビタミンB群を豊富に含みます。
成長期のお子様はもちろん、大人まで幅広い年齢層に召し上がっていただきたい食材です。
【作ってみよう!】
今回は肉巻きおにぎりをご紹介!
<材料(4個分)>
ごはん・・320g
白ごま・・大さじ1~2
牛薄切り肉・・4枚
粗挽き黒こしょう・・お好みで
油・・適量
A
しょうゆ・・大さじ2
酒・砂糖・・各大さじ1/2
にんにく(おろし)・・少々
B
半量のA
みりん・・大さじ1
<作り方>
- ごはんに白ごまを混ぜ、4つに分け、それぞれ俵型に握る。
- 牛肉を広げ、混ぜ合わせたAの半量を表面に塗り、液体が馴染むまで5分程おく。
※お好みでこしょうをふってください。
- (2)に(1)をのせ、ごはんが隠れるように肉で包む。
- フライパンを熱して油を敷き、肉の巻き終わりを下にして(3)を入れる。
転がしながら肉に火を通し、合わせたBを入れて全体に絡める。
<ポイント>
- 今回は簡単に作るためにごはんに白ごまを混ぜただけですが、お好みでシソや生姜の甘酢漬けを加えたり、顆粒のダシなどを加えて風味の効いたごはんにしても美味しくいただけます。
- 焼く時は側面も忘れずに焼きましょう。
牛肉だけでなく、豚肉でも美味しいのでぜひお試しください。
Text by さゆり/食育インストラクター