いろいろな食情報が日々発信される昨今ですが、その中でもシニア層が関心を寄せるのは主に栄養と健康に関するものだと言われています。
ところが、そんな情報も時に相反するものが発信されている場合があり、混乱のもとになっています。
今回はその1つ「お肉は食べるべきなのか、減らすべきなのか?」にスポットを当てながら、たんぱく質がなぜ必要なのかについてお話します。
【食べるべき?減らすべき?】
メタボリックシンドロームやコレステロール値の気になる方は、「脂質を抑えよう!」という内容の情報を目にする機会が多いかと思います。
その結果、肉類を少なくして魚や豆腐などを中心に食べるようにしている…なんてお話はよく耳にします。
その一方で、「筋肉の衰えを防ぐために、肉類をしっかり食べよう!」という情報もあり、なにをどう食べるのが正解なのかわからなくなっている方もいらっしゃるようです。
とはいえ、なにを食べるのが正解なのかは、疾病・年齢・性別・体格・生活習慣などの個人差によって必要量が大きく異なるため、一概にこうすればいい!と言い切れないのが実情です。
そのため、肉を食べるべきか減らすべきかという問題は「自分の体調による」のが正解です。
なんだかはっきりしないなと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、年齢を重ねるにつれ、それまで積み重ねてきた生活習慣が体に及ぼす影響は大きくなります。
性別と年齢が同じで、体格も似ている方同士でも身体の中は全く別物、なんてことも珍しい話ではないんですよ!
【そもそもたんぱく質はなぜ必要??】
人間の体は性別差、年齢差などはあっても、一生涯にわたって組織や細胞を古いものから新しいものに入れ替えられており、これを代謝といいます。
その代謝の材料となるのがたんぱく質です。
いくらその他の栄養を完璧に摂っていても、それを生かすための入れ物である体がボロボロでは健康にはなれませんよね?
たんぱく質は健康を支える屋台骨と言っても過言ではないほど重要なんです!
そして、このたんぱく質の補給源として筆頭に挙がるのが肉類です。
野菜に含まれるものより吸収しやすい鉄などのミネラルの補給にも役立つので、実は血液の健康にも一役買っていたりします。
こういった点も「肉類を食べた方がいい」理由なんですね。
脂質が気になる方は、脂身の少ない赤身肉を選んで頂くと安心して召し上がって頂けますよ。
身体にとって、とても大事な役目を果たすのがたんぱく質です。
ですが、だからと言って摂りすぎてしまうと、肝臓に余計な負担をかけてしまったり、カルシウムの吸収を妨げてしまったりなどの弊害も起こり得ます。
肉ばかり、魚ばかりにならないようにご注意下さい。
Text by はむこ/食育インストラクター