少しずつ暖かくなり、春らしさを感じられるようになりましたね☆
日本には四季があり、その季節ごとに美味しい食材や料理があります。
そこで今回から4回に渡り、各季節にどんな食材が旬を迎えるのかを見ていきたいと思います☆
【春の野菜】
●山菜
人の手で栽培される野菜に対し、野山に自生し、食用される草木を“山菜”と呼びます。
ぜんまい・ワラビ・ふきのとう・やまうどなどがその一例です。
春の山菜には独特の苦味があり、冬の間に体にため込んだ老廃物を排出する働きがあることから、「春の皿には苦味を盛れ」ということわざが生まれました。
この苦味は、タンニンなどのポリフェノール類によるものです。
抗酸化力があり、活性酸素を除去して、老化や生活習慣病を予防します。
苦味はアクとして「アク抜き」され、調理しますが、上記のような有効成分が含まれているので、アクを抜き過ぎないよう注意しましょう。
●筍
「朝採りをすぐ食べよ」と言われるほど、鮮度によって味に差が出ます。
収穫後、時間が経つにつれて独特のえぐみが増すため、購入したらできるだけ早めに茹でましょう。
茹でる際に米ぬかを加えると、米ぬかのカルシウムがえぐみのもとと結合して、中和してくれます。
つまり、カルシウムの多いわかめと合わせる若竹煮は、理にかなった料理と言えますね☆
筍には、高血圧やむくみの予防・改善に働くカリウムや、便秘解消に効果的な食物繊維が含まれています。
水煮の筍は通年出回っていますが、旬ならではの香り豊かな生の筍は格別!
姫皮と呼ばれる内側の白くてやわらかい皮や、穂先などは炊き込みご飯に、それより下の部分は炒め物や煮物にすると、歯応えが楽しめるのでおすすめです☆
●アスパラガス
切らずにそのまま、こんがり焼くだけでも美味しくいただける、アスパラガス。
アスパラガスに豊富に含まれるアスパラギン酸は、疲労物質である乳酸をエネルギーに変え、神経や筋肉の疲れをとる効果があります。
穂先の部分には毛細血管を丈夫にするルチンが含まれているので、血行を促進し冷え性予防に役立ちます。
ルチンはビタミンCの吸収をアップする働きがあるので、ビタミンCの多い食材(ピーマンやパプリカ、ブロッコリーなど)と組み合わせるとよいでしょう。
保存の際は、軽く湿らせた新聞紙で包みビニールに入れ、冷蔵庫に立てて入れます。
購入後すぐにサッと茹でて、冷凍するのもOKです☆
●菜の花
菜の花はつぼみ・茎・葉を食べられる花野菜で、独特のほろ苦さが特徴です。
同じ花野菜であるブロッコリー同様、ビタミンCが豊富に含まれており、1/2束食べれば成人男女の1日の摂取推奨量を補うことができます。
ビタミンCはコラーゲンを作るのに必要不可欠な成分で、肌を健康に保つほか、ストレス緩和や風邪予防などに効果的です。
独特なほろ苦さはアリルイソチオシアネートによるもので、がんや血栓の予防に効果的です。
これの元となるグルコシノレートの含有量は、アブラナ科の野菜(ブロッコリー、小松菜、キャベツなど)の中でもトップクラス!
グルコシノレートはつぼみ部分に最も多く含まれるので、つぼみを取り除かないようにしましょう。
【春の魚介類】
●あさり
初夏に潮干狩りのイメージがある、あさり。
実は産卵期を迎える前の春こそ、身が詰まっていて美味しいというのをご存知でしょうか?
あさりは高たんぱく・低カロリーで、赤いビタミンともいわれるビタミンB12が豊富に含まれ、葉酸と協力し合って赤血球をつくります。
また、神経や脳の機能を正常に保つ働きがあるため、お子さんの脳の発育にも関わり、記憶力や集中力の向上が期待できます。
あさりは、大きくて模様や色がはっきりとしているもの、貝殻の口がしっかり閉じているものが良品です☆
冷蔵庫で保存する場合は、砂抜きをして乾燥しないように濡れた新聞紙などで包んでおくと2~3日ほど保存が可能です。
砂抜きして冷凍保存も可能ですが、自然解凍すると口が開かなくなってしまうので、凍ったまま調理しましょう!
●鰆
「魚」へんに「春」と書く「鰆」は、まさに春の訪れを告げる魚!
俳句でも季語になっています。
瀬戸内海では晩春から初夏にかけて、産卵のために押し寄せてたくさん獲れることから、その時期が旬とされています。
一方、関東では、産卵期前の脂の乗った1~2月の真冬が旬とされ、“寒鰆”と呼ばれています。
鰆には、ビタミンDやナイアシンが豊富に含まれています。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の成長の促進に働くため、成長期のお子さんに必要な栄養素のひとつです。
ナイアシンは、肌荒れの予防や血行促進に働くほか、アルコール分解を助け、二日酔いの予防が期待できます。
また、魚には珍しくカリウムを含んでおり、冷え性やむくみ、高血圧の予防・改善に働きます。
淡白でクセがない白身魚なので、焼き物、煮物、蒸し物などさまざまな料理に対応できます。
調理をする際には、身がやわらかく皮が剥がれやすいので、丁寧に扱いましょう。
幽庵焼きや西京焼きなど調味液に漬ける場合は、皮目に飾り包丁を入れておくと味が染み込みやすく、焼いた時に身が反るのを防いでくれます☆
【春の果物】
●いちご
5~6粒ほど食べれば、1日の必要量の1/2を補うことが出来るほどビタミンCが豊富で、ストレス緩和や美肌効果が期待できます。
いちごの赤い色はポリフェノールの一種であるアントシアニンによるもので、眼精疲労や視力の回復に効果的です。
また、食物繊維の一種であるペクチンも含まれているため、腸内環境の改善にも役立ちます。
水っぽくなりやすいため、食べる直前に洗いましょう。
その際、ヘタをつけたまま洗うことで、ビタミンCの流出を防ぐことができます☆
●びわ
旬は初夏ですが、近年はハウス栽培が進み春先にも出回るようになりました。
体内でビタミンAとして働き、皮膚や粘膜の健康維持やがん予防、アンチエイジングに効果的なβ-クリプトキサンチンが豊富です。
皮や種の近くには、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が含まれています。
クロロゲン酸は抗酸化作用により、老化やガンの予防に役立つほか、脂肪の蓄積を抑える働きが知られており、近年注目されています。
びわは、皮に産毛と「ブルーム」と呼ばれる白い粉状のものが付いているのが新鮮の証です☆
低温にも高温にも弱く、果肉がやわらかく傷みやすいので、購入後はなるべく早めに食べましょう!
いかがでしたか?
ぜひ、皆さんも旬のものを食べ、自然の恵みや四季の変化を感じてみて下さいね☆
Text by ろい/食育インストラクター