バランスのよい食事の目安を知ろう!~乳・乳製品~

バランスのよい食事の目安を知ろう!~乳・乳製品~

バランスの良い食事とはどういう食事でしょうか。
シリーズで少しずつ紹介していきたいと思います。

【改めて考える人間と食物の関係】

人間が食物を口にすると、食道を通り胃に入ります。
食物は胃で溶かされて十二指腸に送られ、吸収しやすいようにさらに分解されて、たんぱく質や脂質、炭水化物などになり、小腸で栄養として吸収されます。
吸収された栄養はいろいろな臓器や血管などを通して体中に送られ、体を動かすために利用されます。
さらに大腸でも分解・吸収されて必要のないものは便として排出されます。
人間は吸収した栄養素を巧みに利用して、成長や新陳代謝、毎日の生活をしています。
これらの活動に必要な栄養素は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5つで、最近研究が盛んな抗酸化物質などは機能性成分と呼ばれています。
これらを体が必要とするバランスで食べることが、バランスのよい食事といえます。

【乳・乳製品はどのくらい摂るの?】

日本では厚生労働省と農林水産省から合同で発表された「食事バランスガイド」というコマのイラストを指標にすると分かりやすく、何をどれくらい食べればよいか一目で分かります。
毎日運動しているか、などその人の活動強度によっても違いますが、「運動は積極的に行わず、1日に歩いたり立っているのは14時間以下くらい」という方の目安は、12歳以上70歳未満の男性で牛乳400~600ml程度、そのほかの6~12歳未満・70歳以上の男性と女性は牛乳400ml程度が目安です。
牛乳200mlをスライスチーズに置き換えると1枚、ヨーグルトだと食べきりサイズ1パック程度が目安となります。
このほかの活動区分の方は、お近くの保健所等で保健師さんや栄養士さんと活動強度を話しながら相談してみましょう。


【乳・乳製品はどんな栄養があるの?】

牛乳はたんぱく質を構成する必須アミノ酸がバランスよく含まれていて、良質のたんぱく質といえます。
なかでも、カゼインという成分は体内で分解され、カルシウムの吸収を助けたり免疫機能をアップさせます。
乳・乳製品に含まれていて最も有名な成分は骨や歯を丈夫にするカルシウムではないでしょうか。
カルシウムは小魚などにも含まれていますが吸収率が低く、乳・乳製品だとカゼインやビタミンDの効果もあり、吸収率が高いのが特徴です。
このほか、皮膚のカサカサを防ぐレチノールや脂質を代謝するのに欠かせないビタミンB2なども含まれています。
これらの栄養は加工したチーズなどにも含まれていて、加熱していないチーズやヨーグルトには腸内の善玉菌を増加させて腸の働きを整える乳酸菌も含まれています。
栄養価の高い乳・乳製品ですがアレルギー症状が出る方もいますので、無理に食べず、それぞれに合った取り入れ方をしましょう。

Text by ゆず/食育インストラクター

関連キーワード: