知っておくと役に立つ!?和食の作法と縁起の繋がり

和食の世界はとても奥深いので、多くの作法が存在します。
その中には「~をすると縁起が良い(悪い)から」という理由があることも少なくありません。
マナーや作法と聞くと堅苦しくて嫌だなぁ…なんてイメージを持たれる方でも、由来を知ると実践してみようと思われるかもしれません。
今回はそんな作法と縁起の繋がりについてのお話です。

【縁起が起源の「やってはいけない」集

●箸渡し
箸と箸でものを渡し合う行為は縁起が悪いと言われています。
その理由は火葬した遺骨を拾う際に箸同士で遺骨を渡し合うことに由来します。
死を連想させる動作は縁起が悪い、ということなのです。

●立て箸(※仏箸という場合も)
茶碗に山盛りに盛り付けられた白飯の真ん中に、杭のように垂直に突き立てられた箸。
こちらは故人に供える枕飯の盛り付けです。
ここから、ご飯にお箸を立てるのは縁起が悪いと考えられるようになりました。
さすがにお箸をご飯に立てるようなことはしてないぞ!
とおっしゃる方でも、おかわりするのが面倒くさいからと、山盛りにご飯を盛り付けている方はいらっしゃいませんか?
こちらも枕飯をイメージするため、縁起が悪いものと考えられます。
それに、たくさん盛り付ければ下の方のお米がつぶれて味が落ちてしまいますし、面倒くさくてもおかわりした方が良いでしょう。


●ご飯を右側に置く
普段何気なく食卓に置いているご飯とお味噌汁。
左側にご飯を、右側に味噌汁を置くようになったのは、左が上位の位置=主食である米を置くという考え方によるものとされています。
さらに、右側にご飯、左側に茶(汁もの)という配置は仏壇にお供えする時の向きでもあることから、右側にご飯を置くのは縁起が悪いとする考え方もあります。

いかがでしたか?
心当たりのある方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません(私も小さい頃に箸渡しをしてひどく叱られた覚えがあります…)

こうやって見てみると、縁起が悪いと言われる事柄の中には、箸とご飯(お米)に関するものが多いのが特徴的ですね。
それだけ和食の世界において箸とお米が重要な存在であったことが伺えますね。

Text by はむこ/食育インストラクター