旧暦の9月9日は「重陽の節句」ですがご存知でしたか?重陽の節句は他の節句に比べると知らない方が多いようです。
【重陽の節句の由来】
中国の陰陽説で奇数は「陽」とされ、陽の極数である9が重なる9月9日は大変おめでたい日とされていました。
旧暦ではこの頃に菊が咲き始めるので、酒に菊の香りを移した「菊酒」を飲んで邪気を祓い、長寿を願うという風習があったようです。
日本には平安時代の初め頃に伝わりました。
重陽の節句は菊花でお祝いをすることから別名「菊の節句」とも呼ばれています。
【食用菊の茹で方と保存方法】
観賞用だけであった菊も現在では品種改良され、苦みがなく、花びらの大きい食用菊も手に入るようになりました。
お浸しや和え物によく使われますが、食用菊は色合いが大切です。
加熱すると花びらが茶色くなってしまうので、炒め物や煮物には不向きですが、茹でる際のほんのひと手間でキレイな色に仕上がります。
そこで食用菊の茹で方をご紹介します。
- まず始めに、鍋に湯を沸かし、酢を加えます。目安は水1Lに対して酢が大さじ2~3杯です。
- 花びらを外し、沸騰した(1)に入れます。
- 箸などで上下を返すように混ぜながら、花びらがしんなりとするまで茹でます。
- 茹で上がったらザルに上げ、氷水にすぐとり、色止めします。
- 冷めたらすぐに水から上げ、余分な水分を絞ります。
調理をして余ってしまったらラップに広げて冷凍庫で保存することも可能です。
使うときには冷蔵庫で解凍してから使ってください。
【食用菊の効能】
菊には解毒作用はもちろん、「クロロゲン酸」や「イソクロロゲン酸」が含まれているので、発がん予防作用や悪玉コレステロールを抑える効果も期待できます。
この頃には栗の収穫も多く、「栗の節句」とも呼ばれ栗ごはんなどでお祝いをする地域もあるようですよ!。
Text by まち/食育インストラクター
Photo by 無料写真素材フリー「花ざかりの森」