「初午(はつうま)」とは何の日かご存知ですか?
「何となく聞いたことはあるけれど、詳しくは分からない・・。」という方も多いと思いますので、今回は初午に関してご紹介します。
【「初午」とは?】
初午とは2月最初に迎える午の日のことです。
この日は京都市の伏見稲荷大社に農耕や穀物を司る稲荷神が降りてきた日とされ、「五穀豊穣」や「商売繁盛」を祈るお祭りが全国の稲荷神社で行われています。
初午といえば、「いなり寿司」を思い浮かべますが、この由来は、稲荷神の使いであるキツネの好物が油揚げであるため、油揚げにすし飯を詰めたものを奉納するようになったことからと言われています。
西日本ではきつねの耳に見立てた三角のいなり寿司が、東日本では米俵に見立てた俵型のいなり寿司が主流になっています。
【いなり寿司だけではない!?初午のお供え物】
初午は蚕の神様を祭る日でもあり、蚕がよく育つようにと白い繭玉に見立てた「初午だんご(まゆ団子ともいう)」を神様にお供えし、お祈りする習慣もあるようです。
また、栃木県を中心とした北関東では、鮭の頭と鬼おろしですった大根や人参、油揚げ、大豆、酒粕などを煮込んだ「しもつかれ」が食べられています。
しもつかれは栄養満点の郷土料理で家庭ごとに入れる食材も違うことから、多くの家のしもつかれを食べると無病息災になるとも言われている縁起物です。
【まだまだある十二支に関する「初祭事」】
今回の初午以外にも「初丑」や「初酉」など聞いたことのある祭事はもちろん、まだ他にも干支にちなんだ初祭事があるのをご存知ですか?
■初子(はつね)
正月最初の子の日、旧暦11月最初の子の日。
仏教の伊舎那天(いしゃなてん)の化身ともされる大黒天を祭る日。
■初丑(はつうし)
夏の土用のうちの最初の丑の日(=土用の丑の日)。
■初寅(はつとら)
その年の初めの寅の日。
財を施す神である施財天とも呼ばれる毘沙門天に参拝し、1年の福徳を祈願する。
■初卯(はつう)
正月最初の卯の日、旧暦2月(卯月)の始めの卯の日。
この日は「初卯詣(はつうもうで)」として神社に参拝する風習がある。
■初辰(はつたつ)
毎月最初の辰の日。
「初辰参り」という風習があり、これを4年続けると四十八辰となり、始終発達(しじゅうはったつ)するという意味合いがある。
■初巳(はつみ)
正月最初の巳の日。
福徳、芸能上達の神である弁財天を参拝する習慣がある。
■初申(はつさる)
旧暦2月のはじめの申の日。
■初酉(はつとり)
その年の初め、または11月最初の酉の日。
■初戌(はついぬ)
月のはじめの戌の日。
■初亥(はつい)
その年の初めの亥の日。
こうしてみると十二支の中で初未(はつひつじ)の日だけ無いようです。
ちなみに今年の初午の日は、2月6日の土曜日。
ご家庭でお稲荷さんやしもつかれを作り、今年1年も良い年になるようお祈りしましょう!!
Text by まち/食育インストラクター