「体に良い」というイメージがあるけど魚を食べる機会が少ないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まずは魚を楽しむことから始めてはいかがでしょうか。
今回は体に良い油が注目を集めている「脂質」についても一緒にご紹介してきます。
【脂質とは】
人間の体には中性脂肪やコレステロールといった脂質のほか、リン脂質という耳慣れないものなど様々なものが存在します。
よく聞く中性脂肪は体脂肪として蓄えられていてダイエットの敵と思われがちですが、体温を保つ働きをしたり臓器を守る役割などをしています。
また、コレステロールも悪者だという印象が強いかと思いますが、脂質の消化吸収に重要な胆汁酸の原料になったり、細胞膜の成分になるため、欠かせない栄養素です。
ひと言で「脂質」といっても様々な性質と役割があります。
なお、脂質には常温で固形状になっている「脂」と液状になっている「油」の2種類があります。
いずれの脂質もカロリーは9Kcalとされ、「体に良い」と思っていても過剰に摂ればカロリーオーバーになってしまうのでご注意ください。
脂質の主成分は脂肪酸で、食材によって異なる脂肪酸が含まれています。
最近注目のオレイン酸やα‐リノレン酸などは、この脂肪酸のことで、それぞれ体の中で良い働きをするのではないかと注目を集めています。
なお、代表的なものとしては、オレイン酸はオリーブ油に、α‐リノレン酸はえごま油に多く含まれています。
魚介に含まれている脂肪酸はDHAやIPA(EPA)などで、動脈硬化の予防や脳に働きかけ、サバやブリなど青背の魚に多いのが特徴です。
【脂質をバランスよく食べるには】
調理に使うサラダ油やバターなどは摂取量が見た目で分かりやすく、控える人もいるかもしれません。
でも、注意したいのは食品中に含まれている脂質です。
そもそも、肉や魚介には脂質が含まれていますし、豆や乳製品にも脂質は含まれています。
さらに注意したいのは加工食品で、温めるだけで食べられるハンバーグや惣菜パンなどには想像以上に脂質が含まれている場合があります。
毎日の生活の中で、正確に脂質の量を細かく計算するのは難しいので、まずは、揚げ物など油を多く使った料理は毎日食べないとか、メインを揚げ物にしたらサブと汁物は脂質を控えるなど、偏らない食事を心掛けていきましょう。
【まずは魚介を食べる習慣を】
日本人の魚介を食べる量が減ってきています。
調理するのが面倒とか骨があるから面倒という方もいますし、単純にお肉が好きだから選ばないという方もいらっしゃるようです。
「魚はアタマに良い」からというだけでなく、日本の季節を感じながら旬を味わう、昔ながらの日本食に親しむ機会を増やしていくという食育の観点からも、もう少し積極的にチャレンジしてはいかがでしょう。
魚の旬は、一般的に産卵前や越冬前など栄養を体にため込んだ状態、脂がのって味が良い時期を言い、白身の魚はうまみ成分が増加し、赤身の魚は脂肪が増える傾向にあります。
さらに、多く採れているため安価で購入できるメリットもあります。
できれば1日に1食は魚を使った料理を食べたいものです。
購入する時に魚を選ぶポイントは、尾頭付きの魚なら目が濁っていなくて尾がピンとしているもので、変色したり傷がついていないもの、皮にハリやツヤがあるものがおすすめです。
切り身の魚もハリがあるもので、パックの底に水分や血がたまっていないものを選びましょう。
何気なく選んでいる魚も、よく見ると旬の走りと名残りでは大きさが違ったり、食べてみると味わいが違うなど、変化を感じられると思います。
楽しく食べるポイントをいろいろ覚えて、魚を美味しく食べましょう。
Text by ゆず/食育インストラクター