バランスのよい食事の目安を知ろう!~油脂~

バターにサラダ油、オリーブオイルにえごま油…どれが体に良い?悪い??と気にする方も多いのではないでしょうか。
なかにはバターは使わないけれど、良いと話題になった油は『健康のためにコーヒーやパン、調理に、色々使っています』という方もいらっしゃるようです。

【油脂とは】

一般的に常温で液体だと『油』、個体だと『脂』と分けて表記し、オリーブ油やごま油、えごま油など、どのような種類の油でも計算すると1g=9.21kcalとなります。
例えば、バター大さじ1(12g)=89kcalをパンに塗らず、代わりに同じ量のオリーブ油をつけて食べた場合、大さじ1(12g)=111kcalとなるため、カロリーの上では多く摂ることになります。
なお、バターには水分や微量のたんぱく質などが含まれているため、100g中のカロリーは異なります。
ただ、含まれる栄養成分は異なります。
オリーブオイルにはコレステロールを下げるといわれるオレイン酸が含まれていたり、えごま油には血管をしなやかに保つと言われるオメガ3系が多いのが特徴です。
また、ココナッツオイルはエネルギーとして消費されやすいと言われる中鎖脂肪酸を含むため、ダイエットに良いのではと話題になりました。
いずれの油も、同じものばかりを極端に多く摂るのではなく、日常生活の中で置き換えができる範囲で摂り入れていくのがよいでしょう。

【どのくらい摂っていいの?】

人間は、食品に含まれる三大栄養素の「たんぱく質、脂質、炭水化物」をエネルギーに変えることで活動しますが、1日に摂る総エネルギー量は年齢や性別、活動強度により変わってきます。
油脂を1日何g摂らなければならないという決められた値はありませんが、1日の脂質は総エネルギーの20~30%程度摂るのがよいとされています。
この割合の中には食材の脂質も含まれているため、脂身の多いお肉をたくさん食べた日や揚げ物を多く食べた日には、パンにつけるなど調味料として使ってよい油脂の量は減ります。
例えば、1日1800kcalを摂る人の場合、脂質からエネルギーを摂る割合が25%とすると脂質は50gです。
1回の食事で17g弱食べてよい計算になりますが、肉に含まれる脂質やバター大さじ1杯が12gという目安量を考えると、1回の食事で食べてよい量は、あまり多くないということが分かります。
ちなみに、ハンバーガー1個の脂質は10g程度、チキンナゲット5個は19g程度です。


【油脂はワルモノ!?】

良い成分以外は悪役のようなイメージになっている油脂ですが、油脂の主な成分である脂質自体にも細胞の働きを維持する生体膜の成分になったり、体内で様々な働きをするビタミンAやビタミンEなど脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあります。
さらに、体内でつくれない必須脂肪酸を含む食品があるなど、とても重要な成分であることは間違いありません。
摂りすぎにも摂らなすぎにも気を付けて、健康を維持していきましょう。

Text by ゆず/食育インストラクター