頭も体も良くなる!?“噛む”ことの大切さを学ぼう!

食事をする上で欠かせないのは、「噛む」という行為。
これは単に、噛み砕いて食物を小さくするというだけではなく、私たちの体に様々な良い効果をもたらします。
今回は、驚異の咀嚼(そしゃく)パワーについてご紹介していきます。

【皆さんは何回噛んでますか?

ハンバーグやスパゲッティなどを好む現代人の1回の食事で噛む回数は、約620回。
それに対し、玄米おこわや乾燥した木の実などを食べていた弥生時代は、約4000回!
ちなみに戦前は約1420回。
ここ数十年でも半分以下になっています。
また、1回の食事時間も22分から現在は11分と、軟食や早食いの傾向があります。


【「よく噛んで食べるのが良い」のはなぜ??

小さい頃、「よく噛んで食べなさい」と親から言われた事のある方も少なくないはず!
沢山噛む事で、どんな効果が得られるのでしょうか?
それは、ずばり…『ひみこのはがいーぜ』
これは日本咀嚼学会が提案する、噛む事の効用を咀嚼回数の多かった弥生時代の卑弥呼にかけて表したものです。

『ひ』……肥満防止
よく噛むと、満腹中枢が刺激され食べ過ぎ防止になります。

『み』……味覚の発達
食べ物本来の美味しさを感じる事ができ、味覚が発達します。

『こ』……言葉の発達
噛む事で、顔の筋肉が発達すると、言葉を正しく発音出来るようになり、顔の表情も豊かになります。

『の』……脳の発達
噛む事でこめかみ付近がよく動き、脳への血流が良くなり、脳の活性化に役立ちます。

『は』……歯の病気を予防
歯の表面が磨かれ、唾液の分泌が良くなり、虫歯や歯周病の予防に繋がります。

『が』……ガンの予防
唾液の成分であるペルオキシダーゼには、食品中の発がん性を抑える働きがあるとされています。

『い』……胃腸の働きを促進
食品を噛み砕いてから飲み込む事で、胃腸への負担が軽くなり、胃腸の働きを正常に保ってくれます。

『ぜ』……全身の体力向上
噛み締める力を育てる事により、全身に力が入り、体力や運動神経の向上、集中力を養う事に繋がります。

噛む回数が減ったことにより、現代人のあごは昔の人に比べ、小さくほっそりしています。
その影響で、最近の成長期のお子様は永久歯が生えるスペースが不足し、歯並びが悪くなったり、噛み合わせが不安定になりがちです。
更に大人になって親知らずの生え方の異常により、抜歯せざるを得ない場合もあります。

最近は「モチモチ」「ふわふわ」など柔らかさを嗜好として求める方が多く、噛み応えのある食事をする機会が減っているのではないかと感じます。
ついつい疎かになりがちな「噛む」という行為。ひと口で30回を目安に噛むというのを普段の食事でも意識して、健康的な食生活を送りましょう♪

Text by ろい/食育インストラクター