あしらい・かいしきって…?

料理に彩りや動き、季節感を演出してくれる「あしらい」「かいしき」
日本料理に四季はつきもので、旬の食材を使うだけでなく、盛りつけなどでも表現していますよね。
でも「あしらい」「かいしき」ってどういうもの?

【あしらいとは

刺身に欠かせない薬味やつま、焼き物の右手前に置く大根おろしやすだちなど、飾りの植物も含めた、料理に添えるものの総称です。
器に盛った料理をより一層引き立て、季節感のあるものを取り合わせます。
わかりやすいものでいうと、焼き魚に添えるはじかみですね。
ちなみに「つま」とは刺し身にあしらうものをいい、大根や人参などの野菜を千切りにしたものを「けん」と呼びます。
「つま」は青じそや紅たで、とさかのりなどの野菜や香草、海藻などが主に使われます。
よりにんじん(にんじんを斜め細切りにして冷水にさらして、丸い箸に巻きつけて形をつくる)や唐草大根(大根の茎に切り込みを入れ、縦に3~4等分の薄切りし、冷水にさらす)などのむきものも多く使われ、料理に彩りと動きをもたらしてくれます
刺し身との味や食感との相性、口直し効果、彩りなどを考えて盛り合わせたいですね。
「あしらい」はあくまでも、添え物で主となる料理の邪魔をしないがポイントです。


【かいしき(掻敷、皆敷、苴)とは

料理の下に敷く、紙や木の葉などのことをいいます。
器のなかった古代、木の葉に食物を盛ったところから生じたとされています。
器を汚さない、においを移さないという実用性のほか、青みをプラスして料理を引き締めてくれる役割もあります。
葉蘭や椿、かえで、松、南天の葉などその季節にあった植物の花や葉を加えることで季節感を演出してくれます。

いかがでしたか?
あしらいは料理と器、季節、風情をうまく融合させる手助けとなるため、日本料理には欠かせません。
また料理に季節を演出することにより、食べる人の目を楽しませ、心をひきつけます。
ちょっと手を加えることで和食らしさが増し、食卓が華やぎますね。
ぜひ家庭でも季節のあしらいものを使って楽しんでみてください。

Text by くまこ/食育インストラクター