「食育基本法」が制定され、今年(2021年)で16年が経ちます。
今ではテレビや本をはじめ、さまざまな場所で「食育」という言葉を目にするようになりました。
学校では“給食”を基本(生きた教材)として、食べ物の知識やバランスのよい食べ方など、子どもたちが学べる機会を作っています。
実は、「食育」は「6月」と深い関係があるのをご存知でしょうか?
【まずは、「食育」をおさらいしてみよう!】
皆さんは『食育』というと、何をイメージしますか?
親子料理教室や農業体験などとお考えの方も多いと思います。
実は、これらは食育の一環ですがほんの一部で、その内容は幅広く200以上にもなると言われています。
< 食育の3本柱>
食育の基本となる3本柱は、食育を語るうえで外せません!
ここでは、それぞれを詳しくご紹介していきます。
①選食力を養う
選食力とは、本物の食を知り、食の安全性を見抜き、自分を健康にしてくれる食べ物を選ぶ力を意味します。
食べたいものを何となく口にするのではなく、旬の素材や生産情報、栄養素の組み合わせなどのことを正しく理解して、楽しく食べることが重要です。
②衣食住の伝承・しつけは家族の団らんから
食育は家庭の食卓が土台になります。
大人と子どもが一緒に食事をすることでしつけをし、食べ方を教え、コミュニケーションを取って愛情を育むことができます。
また、日本は世界にも誇れる、豊かな食文化を持っています。
親子で季節に彩られた日本の伝統について話すのも大切なことです。
とはいえ、あまり難しく考えずに、まずは家族で食卓を囲むことから始めてみましょう。
③地球の食を考える
環境問題や日本の食料自給率、食品ロス(食べられる残飯)の多さなど、「食」に関わる問題を地球規模で考えましょう。
“食べ物を残さない”、“食べられないほど買わない”という小さなことも、地球の食を考えることに繋がります。
【食育は子どもだけでOK?】
「食育は子どもだけが行うことで、大人は関係ないでしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、その答えは『NO』です!
食育は、子どもはもちろんのこと、あらゆる世代に必要とされています。
まずは、子どもに食育を行う大人がしっかり理解することが必要です!
子どもに食育を行っても、生活の場である家庭で実践できなければ意味がありません。
また、選食力を身につけ、生活習慣病予防など、自身の健康管理をしっかりしていくことも大人の食育です。(世代別で意識したい食育は変化していきます。詳しくは、「食育って何だろう?世代別の食育を実践してみよう☆」シリーズをご覧ください。)
【19日は食育の日!】
食育の「育(いく)」という言葉が「19」という数字を連想させること、また「食」という言葉も「しょ→初→1、く→9」ということで「19」を連想させることから、19日が食育の日となりました。
【なかでも6月19日は特別☆】
食育基本法が成立した月が、2005年6月であることや、学校生活や社会生活などが落ち着き、進学や就職・転勤などの影響が少ない6月が食育月間となりました。
この取り組みは国が定めた「食育推進基本計画」により、2006年から始まりました。
【全国各地で食育に取り組んでいます☆】
食育基本法では、食育推進会議において基本計画を作成するものと定めています。
また、全国各地においても、食育の取り組みが効果的に進められることが必要であることから、都道府県及び市町村に対しても、食育推進計画の作成に努めるよう求めています。
農林水産省によると、都道府県の食育推進計画は、平成 20年(2008年)度調査において100%に到達し、目標を達成しました。
一方、市町村における食育推進計画は、平成 19年(2007年)度には4.1%でしたが、令和元年度には87.5%に増加しています。
現在では第3次基本計画において、市町村でも100%を目標にすることを目指しています。
この調査結果を見ると、保育園や幼稚園などの現場で、さまざまな食育の授業が行われているのも納得ですね!
皆さんも、6月19日は日々の生活で実践しやすい食育を考えてみてくださいね☆
Text byろい/食育インストラクター