親子クッキング ~手作りお汁粉で鏡開きを祝おう~

このシリーズでは、親子で一緒に作って楽しい時間を共有できるようなレシピをご紹介します。
今回は日本古来の伝統行事「鏡開き」にちなんで、お汁粉作りに挑戦してみましょう。

【親子クッキングのお約束】

①調理前後や食べるときは、手洗いを忘れずに。
②調理前に子どもが出来ること、お手伝いが必要なことを確認しましょう。
③「ながら作業」は危険なので、テレビなどは消してから作りましょう。

【一緒に作る大人の方へ】

お子さんの年齢などによって一人で出来ることが違いますので、子どもに合ったサポートをお願いします。
事前に材料や作る手順の確認をすると、考えながら作業をする練習にもなりますので、大人が誘導してあげながらお子さんに確認作業をしてもらってください。
そして・・・一番大切なのは、お子さんが切り方や手順を間違えても怒ったりせず、修正する方法を一緒に考えてあげることです。
料理は同時にやらなければいけないことや、不測の事態がつきもの。
大人であれば経験上対応出来ることがほとんどですが、子どもたちは今まさにそのことを学んでいる最中ですので、おおらかな気持ちで対応してあげて下さい。(でも、危険なことをしてしまった場合は、しっかり注意してくださいね!!)

それではレシピのご紹介です。

 


【お汁粉】

<材料(作りやすい分量)> 調理時間:100分
小豆・・100g
砂糖・・100g~
塩・・ひとつまみ
餅・・一人1個

<作り方>

  1. 小豆はサッと洗って大きめの鍋に入れ、小豆の5倍くらいの水を入れて火にかける
  2. 沸騰したらザルに取って鍋に戻し、(1)の作業をあと2回行う
  3. きれいな鍋に小豆と小豆の4~5倍の水を入れて火にかけ、沸いてきたら弱火にして小豆が指でつぶせるくらいやわらかくなるまで1時間ほど煮る(途中で水が足りなくなってきたらさし水をしてください)
  4. (3)を木べらで混ぜながら砂糖を2~3回に分けて加え、弱火で10~15分ゆっくり煮、好みの濃度になったら塩で味を調える(砂糖を加える前に水分が足りない場合は水を足してから砂糖を加えてください)
  5. 餅を焼いて器に盛り、(4)を注ぐ

<ポイント>

  • 豆は砂糖が入ってしまうとそれ以上やわらかくならないので、工程4に移る前に必ず豆のかたさを確認してください。
  • 餅が苦手だったり、食べさせるのが心配な場合は、ごはんを少しつぶしたおはぎの中身のようなものを丸めて入れてあげると食べやすいと思いますので、お試しください。

【鏡開きとは】

鏡開きはお正月の間、年神様のより所としてお供えした鏡餅を下げて私たちがいただくことで、その年を無病息災で平穏に過ごす力を分けてもらう武家発祥の行事です。
年神様は「刃物を嫌う」とされ、乾燥してかたくひび割れた餅をいただく際は包丁ではなく、木づちや手で割りましたが、「割る」という言葉は縁起がよくないことから、末広がりの「開く」があてられました。
もとは「二十日正月」として1月20日に行っていましたが、徳川家 三代将軍 家光公が慶安4年4月20日に亡くなったことを受け、月命日となる20日を避けて11日になったといわれています。
ちなみに、松の内を7日とする関東などは11日を鏡開きの日としていますが、松の内が15日の関西などは15日に鏡開きを行うことが多いです。
現在は真空パックに入っている餅を飾るご家庭も多いですね。
そうなると、餅を木づちや手で割るというのは難しいですので、由来や意味を理解した上で、怪我をしないように包丁などを使っていただければと思います。

【東西で違うお汁粉の定義】

粒あんやこしあんを使った水分の多い小豆汁に餅や白玉などを入れたものを「お汁粉」といいますが、実は地域によって違いがあるのをご存じですか。
関東では、汁気のあるものは粒あんでもこしあんでも「お汁粉」※として扱うのに対し、関西ではこしあんで汁気のあるもののみを「お汁粉」とする地域が多いです。
またお汁粉とよく似た食べ物に「善哉(ぜんざい)」がありますが、関東では粒あんでもこしあんでも汁気がなければ「善哉」なのに対し、関西では粒あんを使った汁気のあるものを「善哉」、汁気の無いものは「亀山」・「金時」などと呼ぶそうです。
※関東でも「御膳汁粉(こしあん)」・「田舎汁粉(粒あん)」・「小倉汁粉(甘く煮た小豆にこしあんを加えたもの)」と呼び名が分かれる場合もあります。

いかがでしたか。
今回は、昔からある伝統行事にちなんだレシピをご紹介しました。
普段なかなか歳時記について話す機会もないかもしれませんが、これを機に日本の伝統を語り継いでいってはいかがでしょうか。

Text byさゆり/食育インストラクター