ふわふわのホットケーキはやっぱりおいしいですよね。
でもどうしてホットケーキはあんなに膨らむのでしょうか?
ホットケーキミックスの原材料名をみてみると、
小麦粉、砂糖、ぶどう糖、食塩/ベーキングパウダー、香料、着色料(ビタミンB2)と記載されています。
ここにホットケーキが膨らむ秘密が隠されています。
そう、その正体は「ベーキングパウダー」!
お菓子作りでもよく登場するベーキングパウダー。
どのような役割をしているものなのでしょう。
【ベーキングパウダーとは?】
ベーキングパウダーは別名「膨らし粉(ふくらしこ)」と言われ、菓子パンや焼き菓子、揚げ菓子、蒸し菓子などに使われる膨張剤です。
主成分はガス発生剤(主に重曹)、酸性剤、分散剤(遮断剤)で、酸性剤の種類や組み合わせによってガス発生温度や、スピードが異なります。
【主成分の重曹がカギ】
重曹とは、炭酸水素ナトリウムで別名、重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダとも呼ばれています。
この重曹を加熱すると、熱分解により、炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+二酸化炭素+水に分解されます。つまり、温められた生地の中で、気体の二酸化炭素が発生してぶくぶく泡になり、生地をふっくらと膨らませているのです!!
そしてこのときに同時に発生する炭酸ナトリウムはアルカリ性の物質なので、焼き上がる生地もアルカリ性になります。
小麦粉に含まれるフラボノイド色素は、アルカリ性になると黄色く変色するため、重曹を使った生地は黄色っぽくなるのです。
生地がアルカリ性になると「メイラード反応(アミノカルボニル反応)」がすすみやすくなるため、焼き色を濃くしたいまんじゅうやどらやきなどの和菓子に利用されることが多いです。
また、ほのかな苦みや塩味を感じるのも重曹の特徴です。
一方、ベーキングパウダーは重曹に酸性剤を加えることで、炭酸ナトリウムを中和し、生地がアルカリ性になるのを防いでいるため、生地は白っぽく、独特の風味や苦味もありません。
【縦?横?に膨らむ?】
重曹は、横に膨らむ性質を持ち、加熱することによって膨張します。
そのため、生地を寝かせても気体の二酸化炭素は発生しないため、あまり急いで焼かなくても大丈夫です。
ベーキングパウダーは、縦に膨らむ性質を持ち、水分を含むことで膨張してさらに加熱することで再度膨張します。
生地に水分を加え混ぜ込んだらできるだけ早く焼くようにしましょう。
【ベーキングパウダーは「ミョウバン不使用」「アルミフリー」がおすすめ!】
ベーキングパウダーを探してみると、「ミョウバン不使用」「アルミフリー」という文字をよくみかけます。
これは、ベーキングパウダーに含まれる酸性剤として「ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)」が使用されていないことを指します。
アルミニウムといえば、安全性について以前から議論されています。
厚生労働省によると、ラットを用いた動物実験で、アルミニウムを多量に投与した時に腎臓や膀胱への影響や握力の低下などが認められていることが発表されています。
一時期、アルツハイマー病とアルミニウムの関係についての情報もありましたが、現在はこの因果関係を証明する根拠はないとされています。
ただ、アルミニウムが人体へ与える影響はまだよくわかっておらず、研究し発表している機関によっても見解はさまざまなのが現状です。
アルミニウムは、色止め剤、品質安定剤などの食品添加物としてさまざまな食品に含まれています。
特に幼児は1日の規定摂取量を超える可能性もあるため、アルミニウム摂取には注意が必要です。
微量であれば安全性に問題はないとされているものの、疑いがゼロでないかぎり「ミョウバン不使用」「アルミフリー」などの記載があるものを選びたいですね。
いかがでしたか?
ベーキングパウダーの特性をいかし、ふわふわのホットケーキや焼き菓子をぜひ作ってみてください♪
Text byくまこ/食育インストラクター