学校給食の味は、大人になって思い出すと、どこかノスタルジックな気分になりますよね。
今回はその中でも給食ならではのレシピ、ソフト麺についてのお話です。
【ソフト麺と日本の給食事情】
給食の人気メニュー、というアンケートをとると、麺料理は上位に食い込んできます。
その麺料理に欠かせないのが、ソフト麺と呼ばれる学校給食の麺です。
うどんともスパゲッティーとも言い難い絶妙な太さで、麺料理としてはあまりコシが無く、やわらかな食感が特徴でした。
給食のために開発された経緯から、学校給食以外ではほとんど食べる機会がなく、「懐かしのあの味」と思い出されやすい食品でしょう。
ソフト麺の正式名は「ソフトスパゲッティー式めん」で、日本では1960年代(昭和40年代)ころに東京の学校給食で提供されたのが始まりのようです。
今では当たり前になっている米飯給食(昭和51年以降)よりも前から提供されていた、由緒ある(?)給食なのですね。
そんなソフト麺ですが、主に関東や東海で提供されていたことから、地域差が大きいメニューで、食べたことが無い方も多くいらっしゃいます。
大人になってから懐かしの給食トークをしてみると、思わぬところで地域差を実感するかも…?
ソフト麺は給食専用として一般販売を行っていない場合が多く、自宅で再現する場合は径が細めのスパゲッティ(フェデリーニなど)を長めにゆで、あえてコシの無い状態にすると近い食感になります。
【ソフト麺風ミートソース】
<材料> 調理時間:35分
スパゲッティ(フェデリーニ)・・130g
豚ひき肉・・120g
玉ねぎ・・120g
にんじん・・50g
しいたけ・・15g
サラダ油・・大さじ1
Aカットトマト缶・・1/2缶(200g)
A水・・1/2カップ
Aトマトケチャップ・・大さじ1
A砂糖・・小さじ2
A 粉チーズ・・小さじ2
Aしょうゆ・・小さじ1
Aウスターソース・・小さじ1/2
塩・こしょう・・適量
<作り方>
- 玉ねぎ・にんじん・しいたけはみじん切りにする。
- フライパンに(1)の玉ねぎ・にんじん・サラダ油を入れて熱し、全体がしんなりするまで炒める。
しいたけを入れてさらに炒め、しいたけに火が通ったら取り出す。 - 同じフライパンに豚ひき肉を入れ、そぼろ状になるまで炒める。
A・(2)を戻し入れ、水分がなくなるまで煮詰め、塩・こしょうで味を調える。 - 鍋に湯を沸かし、スパゲッティを表記時間より4~5分長くゆでてザルに上げる。
- 器に(4)を盛り、(3)をかける。
<ポイント>
- 今回のレシピは2人分です。
- 大人向けの味つけにしたいときは、サラダ油をオリーブオイルに変え、玉ねぎを炒めるときに、にんにくのみじん切りを加えてください
給食のミートソースは玉ねぎとにんじんをたっぷり入れて、甘めの仕上がりになることが多いです。
自校調理をしていた学校だと、それぞれのアレンジを加えたこだわりのミートソースもあります。
ご自身の思い出の味を考えながら、挑戦してみてくださいませ☆
現代の給食では、ソフト麺は提供に時間がかかるため、採用されなくなっています(2015年以降、学校給食では規格品から外れてしまったそうです)。
そのため、いま公立の小学校に通っている子どもたちにとっては、ソフト麺はまったく未知の味になる食品です。
ソフト麵を知っている世代としては少し寂しく思いますが、休日などに作ってみて、「昔に食べた味」をご家族で体験してみてはいかがでしょう。
Text byはむこ/食育インストラクター