子どもにとって、野菜は食べたくないものの代表選手。
味の個性が強いものは特に嫌われてしまいます。
シリーズでお届けしている「好き嫌いをなくそう!!苦手な野菜克服術」。
今回は好き嫌いが分かれる野菜「トマト」です。
まずは、
【嫌いな食材!解決ポイント】
〇味(味覚)による嫌い
嫌いな味と認識されやすい、「酸味」・「苦味」は、「加熱」や「水にさらす」・「つけ込む」などの下処理や調理で緩和!
また、うま味の強い食材を合わせたり、油や調味料でコーティングしてあげるとgood!
マスキング効果で食べやすくなります。
〇かたさ(食感)や大きさ・形状による嫌い
形が残らないように、刻む・すりおろすが鉄板!
細かくして、混ぜ込んでしまいましょう。
〇変化による嫌い
初めましての食材や料理は敬遠されがち!
そんな時は、まず「大人が食べてみせてみる!」・「おいしいのかな?」で不安を解消!
子どもは食べてくれるかも?
それではさっそく、「克服簡単レシピ」をご紹介します!
【トマト入りチーズinハンバーグ】
<材料(大人2人・子ども1人分:子どもだけなら4~5人分)> 調理時間:35分
合挽き肉・・300g
塩・・小さじ1/3
Aこしょう・ナツメグパウダー(なくても構いません)・・各少々
A溶き卵・・1個分
Aトマト・・1個(正味140g)
Aパン粉・・20g
玉ねぎ(みじん切り)・・1/2個分
スライスチーズ・・3枚(子どもだけなら4~5枚)
Bトマトケチャップ・・大さじ2
B中濃ソース・・小さじ1
Bしょうゆ・・小さじ1
B砂糖・・小さじ1
C水・・150ml
Cコンソメ顆粒・・小さじ1/2
サラダ油・・適量
付け合わせ野菜・・お好みのもの
<下準備>
- トマトはすりおろし、パン粉と合わせる
- 玉ねぎはしんなりするまで炒め、冷ましておく
<作り方>
- ボウルに挽き肉・塩を入れてよく練り、Aを入れてさらに練り、玉ねぎを加えて全体をよく混ぜる
- (1)を3~4等分に分け、折りたたんだスライスチーズを真ん中に入れて楕円形に成形する
- フライパンにサラダ油を熱し、(2)を入れて両面焼き色をつけ、蓋をして火が通るまで蒸し焼きにする
- (3)を取り出し、余分な脂分を拭き取って合わせたBを入れて軽く炒め、Cを加えてトロミがつくまで煮詰める
- (3)・付け合わせの野菜を盛り、(4)をかける
<ポイント>
- トマトのすりおろして、皮が大きく残ってしまう場合は、細かく切って加えて下さい。
【今回の苦手克服ポイント!】
トマトは強い抗酸化作用を持つリコペンをはじめ、ビタミンCや葉酸を含む栄養価の高い野菜なので、親としては食べてほしい食材のひとつですね。
トマトはうま味成分であるグルタミン酸が豊富に含まれるので、ハンバーグに加えることで深みのある味にしてくれます。
トマトは中のゼリー状の部分にうま味成分(グルタミン酸)が多く含まれているといわれますが、この部分が苦手という子どもも多いので、今回は「すりおろし」て混ぜ込むことで苦手な子どもでも食べられるようにしました。
トマトは熟したものの方がうま味成分が増し、青臭さや酸味も和らぐので、使用するときは熟したものを使ってあげて下さい。
皮が見えると食べてくれない場合は、湯むきしてからすりおろすのがおすすめです。
中に入れたチーズもトマト同様、グルタミン酸を多く含む食材です。
今回のチーズの役割はうま味の増幅というだけでなく、中からチーズがトロ~っと出てくることで、子どもの食べたい気持ちを高める視覚効果も期待したいポイントです。
ソースもトマトの加工品であるトマトケチャップを入れて作っていますが、お好みでデミグラスソースにするなど変えてもOKですよ。
【上手に食べさせよう】
嫌いな野菜を見ただけで拒否反応を起こす子どももいるかもしれません。
もちろん克服してもらいたいですが、無理強いは禁物!!
トラウマになって、もっと食べられなくなってしまうこともあります。
野菜に限らず、食材は同じような栄養素を持つものがたくさんありますので、ひとつの食材にこだわるのではなく、同じような成分を持つ食材と併用し、最初は形をなくすなど、見えない状態から食べ進め、段々と形が分かるようにしていくとよいでしょう。
そして、子どもが嫌いな食材を食べられたときは、大げさなくらい褒めてあげて下さい!!
恥ずかしがるかもしれませんが、信頼できる大人から褒められることは、子どもの自信に繋がります。
子どものころは食べられなかったのに、いつの間にか食べられるようになったものが誰しもあると思います。
さまざまな味を経験することで、子どもも食べられるようになる日がきっとくると信じて、焦らずに・・・☆
Text by さゆり/食育インストラクター