この時期は特に気をつけたい…!台所に潜む「食中毒」を撃退しよう!

ジメジメとした気候で、なんだか気分が落ち込みがちになる梅雨がやってきました…。
この時期は気温とともに湿度も高くなるため、細菌類が繁殖しやすく、食中毒が多発します。
“食中毒”は、飲食店や旅館などだけでなく、家庭での食事にも発生の危険が潜んでいます!
食中毒を起こしてしまっては、せっかくの楽しい食事も台無しですよね…。
そこで今回は、家庭で食中毒を起こさないためのポイントをご紹介します☆

【「食中毒」ってなに?】

食中毒とは、有害な微生物や化学物質を含む飲食物を食べたときに生じる健康被害のことです。
食中毒の代表的な症状には、腹痛・下痢・嘔吐といった胃腸障害や発熱などが挙げられます。
症状の激しさや、食事から発症までの時間は、原因物質によって異なります。
食中毒は特有の症状というものがないため、風邪などに間違われることがよくあります。
しかし、食後数時間経ってから上記のような症状が出た場合には、食中毒が疑われます。

【どんな人が食中毒になりやすいの?】

一般的に、抵抗力が弱い人が食中毒になりやすいと言われます。
そのため、消化器官や免疫力が未発達な乳幼児・高齢者・虚弱体質の人などは、より注意が必要です!
また、過労や睡眠不足、過度なストレスなどで体力が落ちている人も食中毒になりやすい傾向があります。
かかりやすい方は症状が重症化しがちなので、早めに医療機関を受診しましょう

【家庭で出来る食中毒予防のポイントとは?】

食中毒の予防は、食中毒菌を「付けない」、「増やさない」、「やっつける」ということがとても大切です!!
ここでは、この食中毒予防の3原則に沿って、6つのシーン別予防対策をご紹介していきたいと思います!

① 買い物
・肉・魚・野菜などの生鮮食品は、できるだけ新鮮なものを購入する
・肉・魚などの生鮮食品は買い物の最後にし、購入後は早めに冷蔵庫に入れる
・肉・魚などを購入したらビニール袋に入れ、ほかの食品に触れないようにする(二次感染を防ぐ)

② 家庭での保存
・要冷蔵・要冷凍食品は購入後、すぐに冷蔵(冷凍)庫に入れる
・冷蔵(冷凍)庫に食品を詰め過ぎない(7割程度を目安に)
・冷蔵(冷凍)庫の扉の開閉はできるだけ少なくし、庫内温度を上げないようにする
・食品は早めに使い切る(飲料は開けたら早めに飲み切る)

③ 下準備
・手をよく洗う
・布巾や手拭き用タオルはこまめに取り替える
・まな板や包丁はこまめに洗浄し、しっかり乾燥させたものを使う
・野菜と肉・魚のまな板を分ける
・洗える食材は流水でよく洗う
・冷凍品の解凍は、冷蔵庫か電子レンジで行う
・肉・魚は、生で食べるものと区別し、離して置いておく

④ 調理
・加熱は十分に行う(目安は中心温度が75度で1分以上)
・電子レンジを使う場合は、均一に加熱されるようにする
・調理を途中で止めたら、食品は冷蔵庫へ入れる
・布巾は清潔なものを使う

⑤ 食事
・食事する前は手をよく洗う
・盛りつけは清潔な器具を使い、清潔な食器に盛りつける
・料理は作りたてを出来るだけ早く食べる
・食べるまでに時間がある時は小分けにするなどして手早く冷まし、冷蔵庫に入れておく

⑥ 残った食品
・手洗い後、清潔な容器で保存する
・時間が経ち過ぎた食品は、思い切って処分する
・食品を温め直すときも、十分な加熱をする(目安は中心温度が75度で1分以上)


【『もしかしたら食中毒かな…』と思ったら】

「食中毒かな?」と疑われる場合は、下痢止めなどを自己判断で飲まないように注意してください。
下痢や嘔吐は体が毒を出そうとする反応なので、無理に止めてしまうとかえってよくないケースもあります。
下記の症状が見られる場合は、要注意です!

・下痢が続く(1日10回以上)
・半日以上尿が出ない、尿が少ない
・意識がもうろうとする
・血便が出る
・嘔吐が続く
・体がふらつく

食中毒を起こした場合、「応急処置」では間に合わないこともあります。
下痢や嘔吐、発熱が続く場合は、速やかに病院を受診しましょう!

昨年からコロナウイルスが世界的に流行し、手洗いやアルコール消毒など、個々人の衛生管理が徹底されるようになりましたが、この時期は食中毒に対しても意識を高めていきたいですね☆
食中毒菌は無味無臭。
食品や調理器具に付着・繁殖しても、色やにおいはほとんど変化がありません。

家庭での食中毒を防ぐのは、食材を選び、調理する皆さん自身です!
ぜひ、今回ご紹介した内容を実践して頂き、家庭の「食の安全」を守ってくださいね☆

Text byろい/食育インストラクター