「食品ロス」とは、まだ食べられるのに廃棄される食品のことです。
今回は、食品ロスを減らすためにできることを考えていきたいと思います!
【日本は、どれくらい食品ロスがあるの?】
農林水産省と環境省の調査によると、令和2年度は日本では約522万トンの食品ロス(家庭から約247万トン、事業者から約275万トン)があったというデータが出ています。
これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量(2020年で年間約420万トン)の約1.2倍に相当します。
また、食品ロスを国民1人あたりに換算すると、“1日お茶碗約1杯分(約113g)”が毎日捨てられていることになります。
令和元年度からは約8%減となっているものの、まだまだ多いというのが現状です…。
【家庭での食品ロスってどんなものがある?】
家庭で発生する食品ロスは、大きく3つに分類されます。
- 食卓にのぼった食品で、食べ切れずに廃棄されたもの(食べ残し)
- 賞味期限切れなどにより使用・提供されず、手つかずのまま廃棄されたもの(直接廃棄)
- 野菜や果物の皮を厚く剥きすぎたり、取り除きすぎたもの(過剰除去)
皆さんも思いあたる節はありませんか…?
いずれも少しの心掛けで減らすことができるので、気をつけてみてくださいね☆
【食品ロスを減らすために、私たちができることってなんだろう?】
今回は、シーン別にできることをご紹介します!
<外食時>
・食べ切れる分だけ注文し、残さず食べ切るように心掛ける
(どうしても食べ切れない場合は、お店の方と相談の上、食べ残した料理の持ち帰りを検討する)
※ただし、温度・湿度が高い時期や、持ち帰りに不向きな料理に関しては注意が必要です。
皆さんも、消費者庁・農林水産省・環境省が作成した、消費者・飲食店それぞれの実践ポイントや留意事項を盛り込んだ、“「食べ切り」ガイド”を確認してみてくださいね☆
<買い物する時>
- 買い物前に、冷蔵庫や食品庫にある食材をチェックする
- 使う分、食べられる量だけ買う
- 期限表示を知って、賢く買う
<自宅で調理・保存する時>
- 食材を適切に保存する
- 食材を上手に使い切る
- 食べ切れる量を作る
【「てまえどり」していますか?】
最近では耳にする機会も多くなった、「てまえどり」という言葉。
「てまえどり」とは文字通り、購入してすぐに食べる場合に、商品棚の手前にある商品など、販売期限の迫った商品を積極的に選ぶ購買行動です。
食品棚の奥から商品を取ると、手前の期限が近い商品は売れ残り、返品や廃棄に繋がってしまいます。
この取り組みは、農林水産省・消費者庁・環境省・一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会が連携し、令和3年6月から呼びかけています。
具体的には、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会に加盟しているコンビニエンスストア4社で、啓発物を商品棚に掲示するなど活用し、買い物をされる方へ周知を行うほか、ホームページ上にて啓発物の提供を行っています。
【「ローリングストック」を実践してみよう!】
「ローリングストック」とは、“普段食べている食品を少し多めに買い置きし、食べたらその分を買い足していく”という取り組みです。
この方法は、『①備える→②食べる→③買い足す』を繰り返しながら食品を貯蔵していくので、賞味期限切れで廃棄してしまう食品ロスを防ぐことに繋がります。
●災害時の備蓄にもなる!
災害時の備蓄として、非常食を準備されているご家庭も多いと思いますが、注意しなければならないのが「賞味期限」です。
非常食は長期保存が可能なため、普段あまり目の届かない場所にストックしがちで、気が付いたら賞味期限が切れていてやむなく廃棄したというケースは少なくありません。
これでは家庭からの食品ロスをさらに増やしてしまうことになります。
しかし、ローリングストックを行えば、無駄なく家の中には一定の食料を蓄えることができます。
まずは常温保存食品を定期的に棚おろしして、賞味期限の近いものをチェックすることから始めてみましょう!
食品ロスが増えると大量の食べ物が無駄になるだけでなく、環境悪化や将来的な人口増加による食料危機にも適切に対応できません。
食品ロスは、SDGs(持続可能な開発目標)にも盛り込まれている課題です。
皆さんも食品ロスを減らすために、できることから少しずつ始めてみませんか?
Text byろい/食育インストラクター