捨ててしまうその前に!エコクッキング④ ~野菜の皮編その2~

シリーズでお届けしている、「今まで捨てていた?かもしれない野菜や果物の○○を使ったエコでおいしいレシピ」。
以前、「大根の皮」の漬物と「じゃがいもの皮」で作るきんぴらをご紹介しましたが、覚えていますか?

今回は、野菜の皮を使ったエコクッキング第2弾です。
野菜の皮や種、芯、ヘタなどの普段なら捨ててしまいがちな部分を使った「ベジブロス」のとり方と、それを使った簡単レシピをご紹介します。

【「ベジブロス」とは?

ベジブロスとは、「野菜(Vegetable)」と「だし(Broth)」を合わせた言葉で、その名の通り野菜だしのことを言います。
普段食べている野菜の部分を使うのではなく、皮や種など今まで捨てていた部分を使って出汁をとることで、無駄なく使うことが出来ます。
そして、おいしいだけではなく、栄養面でも優れています。
前回もご紹介しましたが、野菜の皮にはフィトケミカルという成分が多く含まれています
フィトケミカルはよく知られているものでも、1000種類以上あり、その効果はさまざまですが、強い抗酸化作用があるのが特徴です。
この抗酸化作用により、体の中から活性酸素を取り除き、老化防止や免疫力アップなどが期待できます。
「野菜を食べていないのだから、栄養が摂れないのでは?」と思っている方もいるかもしれません。
でも、ご安心を。
フィトケミカルは、じっくり煮出すことで野菜の細胞壁が壊れ、出汁に溶け出すので、栄養素を効率よく摂ることが出来るのです。

【ベジブロスに向く野菜と向かない野菜

おいしいベジブロスを作るには、さまざまな色の数種の野菜を組み合わせるとよいとされています。
特に入れてほしいのが、玉ねぎの皮です。
玉ねぎの皮には「ケルセチン」というフィトケミカルが多く含まれ、血液をサラサラにしてくれます。
大根や人参の皮は、料理に使うことはあっても、玉ねぎの皮を使うという方は、いないはず。ぜひ、ベジブロスに活用しましょう。
玉ねぎの皮のほかに、大根や人参、しょうがの皮や長ねぎの緑の部分、セロリの葉などもおすすめです。
反対に、ベジブロスに向かない野菜もあります。
にんにくの皮やにらの根元などはにおいが強くなってしまいますし、じゃが芋やさつま芋の皮などは、でんぷん質が多いため、たくさん入れるとドロドロの出汁になってしまいます。
また、驚きなのがブロッコリーの茎やキャベツの芯です。
少量入れる分には問題ありませんが、入れ過ぎると独特の風味になってしまい、好みの分かれる仕上がりに・・・。
上記に気をつけ、4~5種の野菜を組み合わせて作りましょう。
野菜の種類が2~3種しかないというときには、昆布や干ししいたけ、干しえびなどを入れるとうま味がアップします。


【ベジブロスを作ってみよう!

<材料(作りやすい分量)> 調理時間:40分
野菜の切れ端・・両手いっぱい
昆布・・10cm角
水・・1リットル
酒・・大さじ1

<作り方>

  1. 野菜の切れ端はしっかりと水で洗い、水気をきる。
  2. 鍋に材料をすべて入れて中火にかける。
    沸いたら弱火にし、20~30分ゆっくりと煮る。
    ※グラグラさせてしまうと、濁ったり、えぐみが出てしまいます。
    コトコトくらいの火加減で煮て行きましょう。
  3. 火を止め、ペーパータオルを敷いたザルで濾す。

今回は、野菜の種類が少なかったので、昆布を入れてうま味を追加しました。
この量でだいだい4カップ(800ml)くらいのベジブロスが出来ます。

【出汁入らず!ベジブロスを使った味噌汁

<材料(2人分)> 調理時間:10分
じゃが芋・・小1個
玉ねぎ・・1/4個
絹さや・・4枚
ベジブロス・・300ml
みそ・・小さじ4

<作り方>

  1. じゃが芋は1cm厚のいちょう切りにする。
    玉ねぎは薄切り、絹さやは筋を取ってななめ半分に切る。
  2. 鍋にじゃが芋・玉ねぎ・ベジブロスを入れて火にかける。
    沸いたら弱火にし、じゃが芋に火が通るまで煮る。
  3. (2)に絹さやを加えてサッと煮、みそを溶き入れ、火を止める。

【ベジブロスで作る、枝豆の炊き込みご飯

<材料(2人分)> 調理時間:10分(浸水・炊飯時間は除く)
米・・1合
枝豆(ゆで)・・正味50g
ベジブロス・・1合分
しょうゆ・・小さじ1
塩・・ひとつまみ

<作り方>

  1. 米は洗って15分ほど浸水させ、ザルに上げて水気を切る。
  2. 炊飯器の内釜に(1)・ベジブロス・しょうゆ・塩を入れてひと混ぜし、枝豆をのせて炊飯する。
  3. 炊き上がったらさっくりと混ぜ合わせる。

このほかにも、肉じゃがやカレー、リゾットやパスタなど、さまざまな料理に使うことが出来ます。
使う野菜の組み合わせによって、ベジブロスの味は無限大。
自分好みの味を見つけるのもよいかもしれませんね。

今後もまだまだ、エコレシピを紹介して行きたいと思います。
一緒に知識を身につけ、食品ロスを減らして行きましょう。

Text by まち/食育インストラクター