夏本番がやってきましたね。
暑くジリジリと焼けそうな太陽光ですが、野菜の生育にとって欠かすことの出来ない存在です。
今回は家庭菜園でも育てやすいピーマンについて、育てるときのコツや、収穫したピーマンを使ったレシピをご紹介します。
【ピーマン】
ピーマンはナス科トウガラシ属の野菜です。
コロンブスが中南米より持ち帰った唐辛子がヨーロッパに伝わり、品種改良されて辛みのないピーマンが誕生したとされています。
ピーマンの名前は、フランス語で唐辛子意味する「ピメント」が由来です。
日本でピーマンの栽培が始まったのは明治時代ですが、最初はなかなか受け入れられませんでした。
日常的に食べるようになったのは戦後に入ってからです。
現在のピーマンは、苦みや青臭さなどを軽減した品種が出回っているので、昔と比べ、ピーマン嫌いな子どもは少なくなっています。
【ピーマン種・苗の購入時期と選び方】
ピーマンは種から育てることも出来ます。
種をまく時期は地域にもよりますが2月中旬ころが一般的なので、それまでに用意しましょう。
選び方は特にありませんが、育てたいピーマンのイメージに合った品種を選んでください。
しかし、種から育てるには土のほかに育苗用のポットや箱の用意、温度や湿度の管理も重要なので、初めて挑戦する場合は苗の状態まで育ったものをホームセンターなどで購入すると始めやすいです。
苗は4月から販売されますが、寒さに弱いので、気候が安定してくる5月上旬を目安に購入するとよいでしょう。
茎が太く、双葉がついていて、ほかの葉もキレイに広がり、いきいきとした緑のものが元気な苗です。
また、苗に一番花がすでについている場合は、すぐに植え付けることが出来ます。
ついていない若い苗の場合で、間もなく花が付きそうであれば購入時のポットのまま植え付けまで育て、少し時間がかかりそうな場合は、途中でひと回り大きなポリ鉢等に入れ替えて育てると、後の生育が順調に進みやすいです。
【植え付けのポイント】
苗は5月上旬から中旬にかけて植えましょう。
ピーマンはナス科の野菜なので、連作を嫌います。
前の年にナス科の野菜を植えていたら別の場所で育てるか、土を入れかえてください。
過湿と乾燥を嫌うので、高畝を作り、水はけしやすい状態にします。
植えるときは、ポットに入っていた土ごと植え、土を落とさないようにしましょう。
地植えで複数の苗を植えるときは、50cm位間隔をあけて植えます。
鉢植え場合は大きくて深い鉢を選び、複数植える時は20cmくらい離して植えます。
どちらの場合も茎が折れやすいので、支柱を立てるとよいです。
●水やり
水やりの基本は土の表面が乾いたときにたっぷりと与えるようにしてください。
根付くまでに1週間程度かかるので、その間は特に乾燥に気をつけます。
気温が低いときや土の跳ね返りや乾燥が気になる場合は、わらを敷いて対策します。
乾燥も大敵ですが、過度な水やりは葉の発病や根腐れの原因になるので、梅雨の時期は天気予報を確認しながら水やりをしましょう。
●追肥
ピーマンは土中の栄養をたくさん必要としますが、栄養をしっかり与える事でシーズン中(6~10月)ずっと収穫することが可能な野菜です。
長く楽しむためにも植え付けから1カ月を目安に、固形の肥料または液肥を与えます。
●剪定
葉が茂り過ぎると風が通りにくく、日あたりも悪くなるので、発育に合わせて整枝や余分なわき芽取りを行ってください。
また、害虫対策もあわせて行いましょう。
上記はあくまで基本的な内容です。
やり方もさまざまなので、詳しくは園芸の本を見る・購入先の方や経験者に話を聞くなどしてください。
【ピーマンとひき肉のチーズ焼き】
ピーマン好きはもちろん、チーズでピーマンの苦みなどがマスキングされるので、苦手な子にもおすすめです。
<材料(2~3人分)> 調理時間:35分
ピーマン・・6個
A合挽き肉・・200g
A塩・・小さじ1/3Aこしょう・・少々
Aトマトケチャップ・・小さじ4(24g)
Aドライパン粉・・大さじ4(12g)
A牛乳・・大さじ2(30g)
小麦粉・・適量
サラダ油・・適量
シュレットチーズ(加熱用)・・適量
ドライパン粉・・適量
<下準備>
オーブンを200℃に予熱する
<作り方>
- ピーマンは2cm厚の輪切りにし、タネやワタ・ヘタは取り除く
ヘタの周りの実や、高さを揃えて余った部分はみじん切りにする
- ボウルにA・(1)でみじん切りにしたピーマンを入れてよく練る
- 輪切りのピーマンの内側に小麦粉を薄くはたき、等分した(2)を詰める
- フライパンにサラダ油を熱し、(3)を入れて両面に焼き色をつけ、耐熱容器に入れる
- 上からチーズをかけ、パン粉を散らしてサラダ油を少しかけ、予熱したオーブンで15分~火が通るまで焼く
<ポイント>
ピーマンの高さをそろえることで、全体の火の通りを均一にします。
肉だねにパン粉を加えることで焼き縮みを軽減し、ふっくらとした食感になります。
【栄養】
ピーマンは紫外線などによるダメージを防ぐビタミンCや免疫力を高めるβ-カロテンを含む野菜です。
また、ビタミンCなどと同様に抗酸化力のあるビタミンEも含みます。
ビタミンEは動脈硬化や血栓が出来るのを予防したり、細胞膜を健康な状態に保つ働きがあるので、日差しの強い夏にはおすすめの食材です。
栽培は始める時期が決まっていたりして、思い立ったらすぐに作って収穫・・・とはいかないかもしれませんが、旬の時期に取れたての野菜をいただくことは、体によいので、ぜひ時期が来たら作ってみてください。
Text by さゆり/食育インストラクター