猛暑日が増え、そうめんや酢の物などが恋しくなる日本の夏。
爽やかな香りで夏の食卓を楽しませてくれるのが青しそです。
そんな青しそは栽培しやすいので、ベランダなどでも気軽に挑戦できる作物です。
【栽培前にチェックしたいポイント】
青しそは種から育てる場合と、苗から育てる場合があります。
種から育てる場合は発芽させるために少し手順が必要なので、苗からの方が育てやすく、ビギナー向けといえます。
また、温度が20℃ほどで日あたりがよく、空気の循環ができる環境であれば、室内での栽培も可能です。
なお、シソ科の植物同士で交雑しやすいので、庭で育てる場合でも鉢やプランターなどで個別に管理した方がよいでしょう。(※今回はベランダでの栽培を前提にした内容です)
栽培時に注意したいのが、水やりです。
夏野菜である青しそは乾燥に弱く、水切れを起こすとしなびてしまうことがしばしばあります。
そのため、家を空ける頻度が多く、水やりを毎日できない。という方にはあまりおすすめできません。
また、日あたりのよい場所を好むのですが、夏の強い日差しに長くあたると、それに負けないようにと葉をかたくしてしまいます。
やわらかく食べやすい食感にするためには、日あたりがよすぎる場所ではなく、半日陰(※1日の日照時間が3時間よりやや長い程度)ぐらいの環境がよいでしょう。
病害には強めですが、アブラムシやハダニなどがつきやすいので、必要に応じて野菜用の害虫駆除剤などを使用するのもよいでしょう。
その場合の使用量・回数・使用後から収穫可能になる日数などは、それぞれの薬品に付属されている取扱説明書に従ってください。
集合住宅などで近隣が気になる場合には、酢を原料にした忌避剤を予防に使用するのもおすすめです。
【植えつけのポイント】
青しそは野菜用として販売されている培養土であれば、特に問題なく生育できます。
生育に適切な環境下であればよく葉が茂るので、鉢やプランターは8号サイズ以上のものを使うのがおすすめです。
苗から植えた場合は収穫までおよそ30日程度。30cmぐらいの高さになり、葉の数が10枚以上あれば収穫可能で、収穫時は下の方の葉から摘みますが、一番下の葉はかためなので、その少し上の方のやわらかく大きな葉から収穫しましょう。
しその葉の裏側には香気成分を含んでいる腺鱗と呼ばれる部位があるので、収穫時に葉の裏側を刺激しないようにすると、しそのよい香りが長く楽しめます。
しその爽やかな香りを強く感じられるのは、自家製栽培の大きなメリットです。
栽培がうまくいくと、8月には次々と新しい葉が伸びていつでもしその葉が食べられます。
でも、もし予想以上に大豊作状態になった場合は…?
大量消費できるレシピを覚えておくと無駄なく食べられますよ!
【青しそジェノベーゼソース】
<材料(作りやすい分量)> 調理時間:10分
青しそ・・20g
松の実・・8g
カシューナッツ・・5g
サラダ油・・大さじ2
粉チーズ・・5g
にんにく・・1g
塩・・小さじ1/3
<作り方>
- 青しそは手で大きめにちぎる。
- (1)と残りの材料をすべてミキサーに入れ、なめらかになるまで混ぜる。
<ポイント>
- ナッツはくるみやアーモンドなどに変更しても作れます。
- 保存する場合は煮沸・アルコール消毒などをした清潔な容器に入れ、表面をラップで覆ってから密閉し、冷蔵してください。
しその風味は飛びやすいので、3~4日以内に食べきりましょう。
パスタソースはもちろん、野菜などのディップソースにしたり、じゃがいもやクラッカーなどと合わせていただくのもおいしいですよ!
ベランダでの植物の栽培は意外と難しいものですが、日本の気候に慣れた青しそは育てやすいのでおすすめです。
調理中にちょっと香味の野菜が欲しい…と思ったタイミングですぐに収穫できる手軽さもあるので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
Text by はむこ/食育インストラクター