給食レシピにチャレンジ!~さんが編~

給食は日本全国で食べられていて、文部科学省の公表によれば、小学校の給食普及率は99%とされます。
そんな学校給食ですが、どんなものを食べたか、は地域差がとても大きいですよね。
今回は千葉県の学校給食で出てくる、「さんが」についてお話します

【さんが、とは?】

さんがは、千葉県の南部、房総の郷土料理のひとつです(※銚子などでも食べられていて、より正確には千葉県沿岸部を代表する料理と言えそうです)。
漁業の盛んな房総ならではの、アジやイワシをつみれ状に加工して作られるメニューで、揚げる場合もあれば、焼いて提供されることもあり、アレンジの効かせやすいところがポイントです。
さんがという言葉の由来は、山の方で食べられていたことから山家(さんが)と呼ばれたそう。
海の魚の料理に山の字がつくのは不思議に思えますが、これは漁師さんが山に仕事へ行くときに、なめろうを持って行き、山小屋で焼いて食べていたことから呼ばれるようになった名前なのだとか。
「皿を舐めるほどうまい」ことが語源のなめろうがもとだと思うと、おいしいのも納得ですね。
漁師飯が発祥なこともあり、さんがには決まった材料はなく、香味野菜と新鮮な魚(そのとき獲れた魚で作りますが、比較的多いのはアジやイワシなどが多いようです)・みそを合わせ、粘りが出るまで叩いて作ります。
昔はこれを二枚貝の殻で包んで持ち運んだとのことですが、現代では新鮮なうちに加熱するので、よりおいしく食べられますよ!


【あじのさんが焼き】

<材料(2人分)> 調理時間:50分
あじ(三枚おろし)・・4枚
しょうが(みじん切り)・・小さじ1/2
長ねぎ(みじん切り)・・大さじ1
A信州みそ・・小さじ1・1/2
Aしょうゆ・・小さじ1/2
A酒・・小さじ1/2
サラダ油・・小さじ1

<作り方>

  1. あじは皮・小骨を取り除いて粗めにたたく。
  2. (1)・しょうが・ねぎを合わせてひと混ぜし、Aを加えて包丁を使い、粘りが出るまでたたき、小判型に成型する。
  3. フライパンにサラダ油を熱し、(2)を入れて焼く。
    片面に焼き色がついたら裏返し、ふたをして中まで火を通す。

<ポイント>

  • あじは1尾分の切り身2枚あたり72gとして計算しています。ほかの魚で作る場合は調味料を調整してください。
  • さんが揚げにする場合はAに小麦粉や片栗粉を入れると、まとまりがよく揚げやすくなります
  • ほかの香味野菜(しそ・みょうがなど)を足してもおいしく召し上がれるので、お好みのものを入れてください。
  • お好みで柚子・すだちなど柑橘系の果汁をかけたり、大根おろしを合わせるとよりおいしく召し上がれます。

さんがは千葉を代表する郷土料理のひとつですが、実は日本の学校給食で郷土食の提供が進んだのは比較的最近のこと。
そのため、千葉県出身の方でも、パパ・ママ世代だと給食でさんがを食べたことが無い方も多いようです。
学童期のお子さんがいらっしゃるご家庭であれば、一度親子でどんな給食を食べたかを話題にしてみると、食文化に興味を持つきっかけになるかもしれませんよ!
もともとの作り方はとってもシンプルなので、家庭ごとの一番おいしい味つけを探すのも楽しいですね☆

Text byはむこ/食育インストラクター