江戸時代の漁師飯☆深川めしを作ろう!

東京都の郷土料理である深川めし。
昨今では学校給食に登場するところも!
今回はそんな深川めしについてのお話です。

【深川めしとは?】

「深川めし」は日本五大飯のひとつで、ねぎと生あさりをみそで煮込んでごはんに煮汁ごとぶっかけた漁師飯のことです。
また、「深川めし」にはもうひとつあさりの炊き込みごはんもありますが、それは大工などの職人がお弁当に持っていけるようにということで生まれたといわれています。
江戸時代の東京都には多くの干潟があり、貝類が豊富に獲れました
東京都の深川エリアは、漁師の町として知られ、江戸前の魚介類や海苔を獲る漁師たちが多く住んでいた町です。
特にあさりやカキが沢山獲れ、それらは深川名物とされていました。
しかし、時代が進むにつれ江戸の海は埋め立てが始まり貝類を獲る漁師は減り、同時に深川めしも食べられなくなっていきました。

【日本五大飯とは】

日本五大飯とは1939年、当時の宮内庁が全国郷土料理の中で日本の代表的郷土、ごはん料理として選定された料理のことをいいます。

●埼玉県小川町「忠七(ちゅうしち)めし」
お椀にごはんを盛り、薬味のさらしねぎ・わさび・柚子などをのせ、その上から土瓶に入れた出汁を注いで食べるお茶漬けのようなものです。
一般的に山ごぼうのみそ漬けや浜納豆が添えられます。

●大阪府・難波「かやくめし」
鶏肉・ごぼう・人参・こんにゃく・ひじき・干ししいたけなどを具材に、しょうゆや酒で味をつけて炊き上げた、炊き込みごはんのことです。
かやく飯の「かやく」は漢字で「加薬」と表現します。
これは、漢方薬の効果を高めるために、補助的な薬を加えることやその薬のことをいう漢方の用語です。
その補助的な意味から主材料を引き立たせる具材や調味料を「かやく」というようになりました。

 ●岐阜県可児市・御嵩町「さよりめし」
さよりめしという名前ではありますが、使っている魚は「サンマ」。
海のない岐阜県では、細長い魚をさよりと呼んでいたそうです。
秋の収穫に感謝の気持ちを込めて、秋が旬の当時は貴重なサンマを炊き込みごはんにしていただくのが伝統でした。
昔は新鮮な海の魚が手に入りにくかったので、塩漬けにしたサンマが使われていました。

 ●島根県津和野町「うずめめし」
白飯に細かく刻んだ鯛や野菜の具を埋め、そこに澄まし汁よりも濃いめの出汁をかけ、わさびを添えていただく、お茶漬けのようなものです。
ただし、うずめめしには普通のお茶漬けと違う部分があります。
具材が多いのもそうですが、何よりも白飯で具材が隠れているところです。
そのため、中にどんな具材が入っているのかワクワクしながら食べることが出来ます。
名前の由来は、具材を白飯で“うずめている“からといわれています。
このように具材を隠していた理由には諸説がありますが、質素倹約を強いられた江戸時代に贅沢をしているのを悟られないため、具材が粗末で他人に見られるのが恥ずかしかったためなどがあります。
また、お渡しするとき、食べるときは伏し目がちにするといった習わしも伝わっています。


【深川めし発祥の「深川」はどこ?】

深川は今でいう江東区のあたりです。駅でいうと大江戸線「門前仲町駅」、「清澄白河駅」の周辺です。
現在の地名では、深川1丁目、深川2丁目が深川エリアとなります。

【深川めしを作ってみよう!】

<材料(2人分)> 調理時間:30分
冷凍あさり(むき身)・・150g
長ねぎ・・1/4本
白みそ・・15g
赤みそ・・15g
A酒・・50ml
Aみりん・・大さじ1
A出汁・・300ml
炊きたてごはん・・どんぶり2杯分
刻みのり・・適量

<作り方>

  1. 長ねぎをななめ薄切りにする。
  2. 鍋にAを入れて沸かし、(1)・あさりを加え、2分煮る。
  3. みそを溶き入れ、火を止める。
  4. 器に炊き立てのごはんを盛り、(3)をかけ、刻みのりをのせる。

いかがでしたか?
あさりのうま味とみそのコクが絶妙なバランスでおいしい深川めし。
炊き込みの深川めしも魅力的ですが、もともとの深川めしをぜひ作ってみて下さい!

Text by あお/食育インストラクター