子どものころに食べた「給食」。
皆さんはどんなものを食べていたか覚えていますか?
今回は宮城県の給食で出てくる「油麩」についてお話します。
【油麩とは?】
油麩は、宮城県北部及び岩手県南部地域に伝わる油で揚げたお麩のことで、別名「仙台麩」ともいわれています。(※仙台麩という呼び名は㈱山形屋商店の登録商標のようです。)
全国的にも油で揚げた油麩は珍しく、特に宮城県を代表する名産品として知られています。
お麩には、生麩や焼き麩とさまざまな種類がありますが、油麩は「揚げ麩」に分類されます。
特徴としては風味が豊かであることや栄養価が高いこと、お肉にも劣らない満足感があることなどがあげられます。
また、縦長でフランスパンのような見た目が特徴です。
油麩丼は約40年前に、お肉が食べられない人のために、かつ丼や親子丼の代わりとして出されたのが始まりといわれています。
近年のB級グルメブームで、一般的な健康食品としてメディアに取り上げられてきました。
2018年6月には「仙台麩」がヴィーガン認定商品となりました。
【給食ではどんな形で提供されるの?】
給食では丼形式ではなくごはんとは別で配膳され、食べるときにごはんにのせたり、ひとつのおかずとして食べたりしていました。(地域によって異なります。)
また親子丼の鶏肉とは少し違う、もちっとした食感のお麩が子どもたちに人気です。
【油麩の気になる栄養】
車麩や焼き麩と比べると油で揚げているため、脂質やカロリーは高めな油麩。
でも、たんぱく質やナトリウム値が非常に高い食材です。
●たんぱく質
骨、筋肉、臓器などの体の構成要素として重要な役割があります。
また、ホルモンや酵素などの体を調節する働きをしています。
●ナトリウム
体には必要不可欠なミネラルで、細胞の浸透圧を維持したり、血液の性質を正常に保つ働きがあります。
【油麩丼】
<材料(2人分)> 調理時間:35分
油麩(2cmスライス)・・・8枚
玉ねぎ・・・1/4個
卵・・・・4個
A薄口しょうゆ・・・大さじ2
Aみりん・・・大さじ2
A砂糖・・・大さじ1
出汁・・・300ml
ごはん・・・丼ぶり2杯分
<作り方>
- 油麩は2㎝幅の輪切りにする。
- 玉ねぎは薄切りにする。
- ボウルに卵を割り入れ、よく溶きほぐす。
- 鍋に出汁と(1)を入れ、中火にかけひと煮立ちさせる。
- (2)・Aを入れ、火が通るまで弱火で煮込む。
たまに油麩をひっくり返す。 - 卵を流し入れ、ふたをして火が通ったら火を止める。
- ごはんを入れた丼ぶりに(6)を盛り付ける。
<ポイント>
- 玉ねぎを長ねぎに変えても甘みが抑えられおいしく召し上がれます。
- お好みで三つ葉や紅しょうがを上にのせるとよりおいしく召し上がれます。
- 半熟の卵がお好きな方は早めに火を止めるとトロトロふわふわに仕上がります。
【油麩のそのほかの使い方】
油麩は肉じゃがなどの煮物、みそ汁などの汁物に使われることが多いです。
ほどよい油分から、煮物や汁物にコクと満足感がプラスされます。
また、出汁とうまみをよく含むので、すきやきなどの鍋物との相性も抜群です。
ほかにもチャンプルーなどの炒め物にも使うことが出来る食材です。
油麩あれば肉いらず☆
●ちょっと変わった使い方
ラスクやフレンチトーストにバゲットではなく麩を使うと普通のパンで作るのとは違った食感が楽しめます。
いかがでしたか?
かつ丼に負けないくらいジューシーでコクのある油麩丼。
お肉よりもヘルシーで簡単に作ることが出来るので、ぜひ作ってみて下さいね♪
Text byあお/食育インストラクター