食欲の秋がやってきました!
この時期はおいしい食べ物が多く、ついつい目移りしてしまいますね♪
今回はそのうちのひとつ、「里芋」に注目してみました!
【里芋ってどんな芋?】
里芋の歴史は古く、縄文時代に渡来して以来、日本人のエネルギー源のひとつとして食べられてきました。
江戸時代に、じゃが芋やさつま芋が入ってくるまでは「芋=里芋」だったそうです。
里芋は中心に親芽ができて、その周りに子芋・孫芋・ひ孫芋ができるため、子孫繁栄の縁起物としてお正月やおめでたい席には欠かせない食材です。
店頭でよく見かけるのは「土垂(どだれ)」という関東地方で多く栽培されている子芋品種です。
そのほか、ゴツゴツとした親芋と子芋が結合した「八ツ頭」や、エビのように曲がった京都の伝統野菜の「海老芋」なども里芋の一種です。
それぞれ食感や味わいに違いがあるので、食べ比べてみるのも面白いですよ♪
【“里芋あるある”の原因を調べてみた!】
里芋を調理する際に感じる、「なんで?」、「こういうことってあるよね~」をまとめてみました!
●あるある①:切ったら中が赤い…これって食べられる?
里芋を切ると中に赤い斑点があったり、外側が赤くなっているという場合があります。
これは、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが酸化したためです。
収穫後、時間が経つと現れます。
食べても問題はありませんが、風味が落ちていることが多いので早めに食べるようにしましょう。
●あるある②:食べるとガリガリするのは、加熱不足のせい?
調理してもガリガリとした食感の里芋は、“水晶症”という生理障害によるものです。
子芋が太る過程で孫芋にでんぷんを取られてしまい、かたい食感になってしまったのです。
加熱により解消するという訳ではないので、薄くスライスするなど食感が気にならない工夫をしましょう。
●あるある③:手がかゆくなるのはどうして?
里芋には山芋同様、えぐみのもとであるシュウ酸カルシウムが含まれています。
シュウ酸カルシウムはトゲのような形をした結晶で、皮膚に刺さるとかゆみを引き起こします。
加熱や酸に弱いという特徴があるので、生の里芋の皮をむく際は、あらかじめ手を酢につけておくとかゆみを防ぐことができます☆
【どんな栄養があるの?】
里芋の主成分はでんぷんですが、水分が多いのでほかの芋類と比べて低エネルギー!
ダイエット中の方にもおすすめの食材です。
そんな里芋にはどんな栄養があるのか、代表的な栄養素を詳しく見ていきましょう☆
●カリウム
100g(中サイズ2個)あたり、640mg含まれています。
これは、カリウムが豊富とされるきゅうりの約3倍!!
カリウムは体内の余分なナトリウムを排出して、高血圧や冷え性、むくみの予防・改善に役立ちます。
また、発汗で失われやすく、不足するとだるさや食欲不振を引き起こすので、暑さがまだ残るこの時期は、積極的に摂りましょう。
●ガラクタン
里芋のぬめりは、食物繊維の一種であるガラクタンなどによるものです。
ガラクタンは免疫力を高め、生活習慣病の予防に働きます。
【調理のポイント】
里芋はぬめりがあり皮がむきにくい食材ですが、加熱することでツルッと簡単にむけるんです☆
泥をよく洗い皮つきのまま蒸せば、皮がむきやすくなる上に水溶性のカリウムの流出を抑えることができます。
また、シュウ酸カルシウムによるかゆみも起こりにくいので、まさに一石二鳥ならぬ、一石三鳥ですね♪
ぬめりは健康面を考えると取り除かずに調理する方が望ましいのですが、調理面を考えると、ぬめりが多いことで調味料が中心まで染みにくいという問題があります…。
中までしっかりと味を含ませるには、ぬめりを取る下処理を行いましょう。
●下処理の方法
- 皮をむいた里芋に塩を振り、よくもんだら洗い流してたっぷりの水でゆでる
- ブクブクと泡が出てきたらザルにあげ、水で洗い流してぬめりを取る
こうすることで、余分なぬめりが取れ、里芋が白く仕上がります。
ゆでる際に少量の酢を加えても、同様の効果が得られます。
【おすすめの選び方&保存法】
泥つきで少し湿り気のあるものは日持ちがよく、風味も保たれていて新鮮です。
緑色の芽が出ている、皮が乾いてヒビ割れている、軽く触れて下部がフカフカしているものは鮮度が落ちている証拠です。
里芋は乾燥と寒さに弱いので、土がついたまま新聞紙で包み、風通しのよい冷暗所で保存しましょう☆
また、使い切れないときは、やわらかく蒸してから冷凍保存するのがおすすめ!
約2週間ほど保存ができ、煮物や汁物にそのまま使えるので時短にもなりますよ☆
ヘルシーでむくみ予防に効果的な「里芋」は、まさに女性の味方です☆
皆さんもぜひ召し上がってくださいね♪
Text by ろい/食育インストラクター