寒い冬や暑い夏、なぜか無性に辛い物が食べたくなる時がありませんか?
体を温めたり、冷やしたりと食べ方によっては全く反対の効果を得られる唐辛子ですが、実はこの他にもうれしい効果があるのです!
【唐辛子はいつから食べられているの?】
唐辛子はナス科トウガラシ属の植物です。
赤いイメージがある唐辛子ですが、黄色や緑、黒など様々な色の種類があり、現在では数千種類に及ぶと言われています。
原産地はメキシコで、その後ヨーロッパに伝えられ、日本には「16世紀末豊臣秀吉の朝鮮出兵時に種子を持ち帰った」という説や、「17世紀初めにタバコと共にポルトガルから伝わった」など様々な説があります。
【唐辛子に含まれる栄養素】
唐辛子は、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB2、カリウムや鉄などのミネラルを豊富に含んでいます。
しかし、大量に食べるものではないため、栄養素の摂取という点ではあまり期待が出来ません。
その代わりに「カプサイシン」と呼ばれる唐辛子に含まれる辛み成分は少量でも効果を得ることが出来ます。
【カプサイシンの効果】
- 冷え性改善&疲労回復
カプサイシンには血管の血液の流れを良くし、体を温め、冷え性改善に効果があります。
また、血流が良くなることで、老廃物の排泄を促して新陳代謝を高め、疲労回復、疲れにくい体づくりにも効果が期待出来ます。
ただし、発汗作用もあるので、食べ過ぎるとかえって体を冷やしてしまう。という事もあるので、体を温めたい時には注意しましょう。 - 肥満予防効果
カプサイシンを摂取することで、脳や脊髄などの中枢神経を刺激し、「アドレナリン」などの分泌を促します。
アドレナリンは脂肪を燃焼させ、運動した時の様にエネルギーを消費してくれるので、肥満予防に良いと言われています。 - 食欲増進効果&便秘改善
カプサイシンの辛みは、舌や胃を適度に刺激し、唾液や胃液の分泌を活発にさせます。
そのため食欲が増し、また、腸を刺激してぜん動運動を促進させるので、便秘改善の効果も期待できます。
この他にも、「生活習慣病予防」や「発毛促進効果」などにも期待が出来るとされています。
【唐辛子を使った世界の調味料あれこれ】
唐辛子は、そのままや粉末で使うのはもちろん、様々な調味料を作るのにも使用されています。
そこで、様々な国で生まれ、現在では私たちの身近にある唐辛子を使った調味料をいくつかご紹介します。
①豆板醤
中国で作られた調味料で、主原料であるそら豆を麹で発酵させ、唐辛子、食塩、ごま油などと混ぜ合わせたもの。
②コチュジャン
コチュとは、韓国で「唐辛子」を意味します。
コチュジャンは、唐辛子、もち米、麹、水あめなどを混ぜ合わせて発酵させた唐辛子みそです。
これに、にんにくやしょうが、砂糖、ごま油などを加えたものを「タテギ」と呼んでいます。
③チリパウダー
数百年も前からメキシコで使われているミックススパイスです。
唐辛子単体の粉末「チリペッパー」と間違われやすいのですが、一般的には、クミンやオレガノ、クローブ、ガーリックなど数種類のスパイスを混ぜ合わせたものを指します。
④七味唐辛子
日本でおなじみの唐辛子を使った調味料です。
唐辛子に、ごま、けしの実、青のり、麻の実、陳皮、山椒など7種類をミックスしています。
どんな料理にも合わせやすい唐辛子。
ぜひ様々な料理に活用して下さいね。
Text by まち/食育インストラクター