「骨粗しょう症」という病気をご存知ですか?
骨粗しょう症は自覚症状が乏しく、患者の8割は女性と言われています。
高齢者の病気とお考えの方も多いと思いますが、実は骨粗しょう症予備軍と呼ばれる若い方が近年増加傾向にあります。
今回は身近に潜む、骨粗しょう症についてご紹介します。
【どんな病気?】
骨粗しょう症は、鬆(す)が入ったように骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。
骨がスカスカになると、ちょっとした衝撃でも骨折をしやすくなります。
骨粗しょう症は、がんや心筋梗塞のようにそれ自体が生命をおびやかす病気ではありませんが、骨折から要介護状態になる人は少なくありません。
その状態になると、QOL(生活の質)は著しく低下してしまいます。
【原因は?】
「加齢によって引き起こされるタイプ」と「病気や薬の影響で二次的に起こるタイプ」の大きく2つに分類されます。
大半は加齢によって引き起こされます。
骨密度のピークは20代とされており、閉経期を迎える50歳前後から急激に低下していきます。
骨を作るのに必要なカルシウムは、腸から吸収されて骨に取り込まれますが、歳を取ると腸からのカルシウム吸収が悪くなってしまうのも骨密度低下の原因の1つです。
また、成長期の過度なダイエットやカルシウム不足、運動不足による骨量減少の影響も指摘されています。
【食事のポイント】
やはり欠かせないのは…カルシウム!
元来、日本人はカルシウムが不足しがちで、1日600mg以上、妊娠中や授乳中は多めに摂取するのが理想的です。
また、ビタミンDやビタミンKが多い食品と一緒に摂ると、カルシウムの吸収率がアップします。
その他に、フラクトオリゴ糖と大豆イソフラボンを一緒に摂ることによって骨のカルシウムが効果的に維持出来るとされています。
これらの栄養素が多く含まれている食材を一部ご紹介します☆
- カルシウム→乳製品や小魚、大豆、緑黄色野菜
- ビタミンD→サケ、サンマ、カレイ、干し椎茸、キクラゲ
- ビタミンK→あしたば、キャベツ、ブロッコリー
- フラクトオリゴ糖→ごぼう、大豆、玉ねぎ、ねぎ、にんにく
- 大豆イソフラボン→大豆や大豆製品
骨を丈夫にする要素として、「日光浴」や「運動」なども挙げられます。
適度に紫外線を浴びると、体内にビタミンDが生成されカルシウムの吸収を促進します。
また、骨は運動で負荷をかける事で丈夫になります。
ダンベル体操のような負荷の強い運動が非常に効果をあげますが、通常はウォーキング程度でも十分。
毎日30分程度でも長く続けていく事が大切です。
骨粗しょう症は食事や運動の習慣も深く関与しており、「骨の生活習慣病」とも呼ばれています。
生涯を健康で充実した状態で過ごす為に、自治体などが実施する骨密度測定を利用したり、バランスのとれた食事や適度な運動を心掛けるのも良いかもしれませんね(^-^)
Text by ろい/食育インストラクター