1年を通してむくみは現れますが、冬は特に実感することが多いのではないでしょうか?
例えば、朝に履いたブーツが夕方にはキツくなって脱げなくなってしまったり、顔が腫れぼったくなってしまったり…。
症状は人それぞれですが、その日のうちに解消させることがポイントです。
マッサージやストレッチだけでなく食事からも考えてみましょう。
【冬のむくみの原因】
私たちの体では、血液が滞ることなく流れているとリンパの働きや循環もスムーズに流れてむくみが生じることはありません。
むくみの原因は、体内に水分が必要以上に溜まってしまい、この血液やリンパの流れが悪くなることで起こります。
冬の寒い季節には、気温低下の影響により筋肉がスムーズに動かなくなってしまい代謝が低下し、特に血液の流れが滞りやすくなることでむくみが引き起こされやすくなります。
【代謝を上げて体を温める】
冬場は外気の気温が低いのはもちろん、意識的に体を温めないと体温も低下してしまいます。
また、冬は寒いがゆえに外出する機会も減り、行動範囲や活動範囲も夏場より減少する傾向があります。
基礎代謝は個人差がありますが、動きが少なくなることによって血液の流れも悪くなり、筋肉が硬くなって冷えやむくみとして体に現れます。
では、代謝を高める食材とは・・?
◎しょうが
しょうがには、ジンゲロールとショウガオールという成分が含まれています。
“ジンゲロール”は体の熱を末端に運ぶ働き、“ショウガオール”は熱をつくる働きがあります。
また、香り成分のガラノラクトンはジンゲロールと共に血液のすみずみまで運ばれ、細くなった血液循環の悪い末梢の血管を広げる働きがあります。
しょうがを食べることで血液の循環がよくなると、発汗や利尿作用が働き、余分な水分が体から出ていきやすくなります。
◎とうがらし
唐辛子には、体を温めて発汗させる作用を持つカプサイシンが含まれています。
キムチや麻婆豆腐の辛みはカプサイシンによるもので、体内に入ると血液によって全身に運ばれ、脳や脊髄などにある神経を刺激します。
その刺激が伝わり、アドレナリンが分泌されます。カプサイシンがエネルギーの代謝を活発にさせることによって、体温が上昇し、発汗が促進されます。
◎ごぼうや里芋
ごぼうなどの根菜類や里芋などのイモ類は水分が少なく、ビタミンCやビタミンE、鉄などをはじめとするミネラルを多く含むものが多くあります。
ビタミンEは血行促進作用、ミネラルはたんぱく質が体内で活用されるのに必須で、たんぱく質は血液や筋肉を作る素となり、体温を維持するのには必要不可欠です。
また、根菜はスープや煮物など温かい料理で食べることがほとんどであることも、体を温めることに繋がっていると考えられています。
◎白菜
白菜にも根菜類と同じようにビタミンCが豊富に含まれています。
血液の主要な材料となる鉄分の吸収を促進、毛細血管の機能を保持する働きがあります。
【血液をサラサラにする】
代謝が良くなっても血液の流れがスムーズでなければなりません。
血液は、コレステロールや中性脂肪によってドロドロになりますが、これを改善することで血液の流れもよくなり、余分な水分や老廃物の排出がされやすくなります。
◎バナナ
バナナに含まれるカリウムには、体内の余分な水分やナトリウムを排出する働きがあります。カリウムには、体内の余分な塩分を排泄する作用があるほか、血管を拡張することで血流を良くして血圧を下げる効果もあります。
◎納豆
納豆には、ナットウキナーゼという納豆菌がつくり出すたんぱく質を分解する酵素が含まれています。血液をドロドロにするコレステロールや中性脂肪が増加すると血液の邪魔をする血栓ができてしまいますが、ナットウキナーゼはこの血栓を溶かす働きがあります。
◎みかん
みかんの皮や袋、スジには、ポリフェノールの一種であるヘスペリジンが含まれます。ヘスペリジンは手先足先の末梢血管の血流が改善し、体温の上昇を促す作用があります。
◎玉ねぎ
玉ねぎの香り成分であるアリシンには、血液中のコレステロールを低下させる働きがります。抹消血管の拡張作用も期待できるため、冷え性の改善も期待できます。
【水分の取り方】
むくむからと水分を控えるほど、体内の水分濃度が濃くなってしまい、むくみはひどくなっていきます。
しかしながら、沢山水を飲めばいいというわけでもなく、水分のとりすぎも体内の水分濃度が薄まってバランスを崩してしまうため、むくみを引き起こす原因となります。栄養も水分も体にとってのバランスが一番大切です。
◎水分
水分摂取で重要なのは、適量を飲み適量を尿として排出すること。
適量とは、食事などを含めて1日に1.5~2リットルで、飲んだ水を適切に排泄することを繰り返すことにより、からだの水分のめぐりが良くなって体内で崩れていた水分バランスを整え、自然とむくみを改善してくれます。
むくみの解消策として10個の食材を上げましたが、もちろん普段からの予防にも効果は期待できます。ぜひ試してみてください。
Text by ざわちゃん/食育インストラクター