冬は寒くてつらいですが、行事が多く、おいしいものを食べる機会が多いのは嬉しい点ですよね。
ここでお腹いっぱいで幸せな気分になるだけならよいのですが…食べ過ぎによる胃もたれと戦っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は胃もたれに役立つと言われている「キャベツ」の効果に迫ります!
【キャベツと胃もたれの関係について】
キャベツが胃もたれによいと言われているのは、約80年ほど前のアメリカでキャベツの絞り汁から発見されたキャベジン(正式名メチルメチオニンスルホニウム、別名ビタミンU)に、胃粘膜の保護をする働きがあるとわかったためです。
また、野菜の中では消化しやすく、風邪などで消化器に負担をかたくないときにも使いやすいのが、胃によいと言われている理由のひとつですね。
【食べ方はどうすれば?】
キャベツは胃の働きに役立つ野菜ですが、だからといって胃の不調時にキャベツを食べればそれでよいという簡単な話ではありません。
まず、キャベジンは水溶性で加熱により壊れやすい性質があるため、効果を得るためには生で食べることが大切です。
ですが、キャベツを食べてキャベジンを摂るには胃を働かせて消化しないといけないので、症状が重い場合は、生のキャベツを食べると胃に余計な負担をかけてしまう可能性もあります。
キャベツは消化によい野菜ですが、生野菜をたくさん食べると胃腸が冷えてしまうのも注意しなければいけない点です。
ただの胃もたれであれば、症状が落ち着くまで食事そのものを控えるか、おかゆなどの消化のよいものをよく噛んで少量ずつ食べた方がよいでしょう。
「今まさに胃もたれで苦しい!」というときに無理をしてまで食べるのではなく、揚げ物を食べるときには千切りキャベツも一緒によく噛んで食べる。
コース料理などで前菜やサラダが選べるなら、キャベツの入っているものを選ぶというように、胃腸に負担をかけやすいものとキャベツを合わせ、予防として使うのがよいですね。
【キャベツの芯は捨てないで!?】
キャベジンはキャベツの内側になるほど多く含まれています。
そのほかにも、余分な塩分を排出するカリウムや骨や歯の健康に役立つカルシウムといった栄養素が外側の葉の部分より多くなるので、キャベツの芯は捨てずに食べた方が良いですね。
キャベツの芯は生のままではかたくて食べにくい部分。
でも、加熱するとキャベジンの効果が少なくなってしまう…そんなときは、キャベツの芯を野菜ジュースにしてしまうのがおすすめです。
キャベツを購入したその日に食べない場合は、保存するときに芯をくり抜くと長持ちします。
その時に出た芯を生で、かたさを気にせずに食べられる方法を考えると、野菜ジュースは効率的です。
キャベツの芯には自然な甘さがあり、ほかの野菜や果物の風味を損ないにくいのも使いやすいポイントですね。
なお、キャベツから抽出された歴史がありますが、キャベツに含まれるキャベジンの量は体に劇的な変化をもたらすものではありません。
キャベツの芯でもそれは同じなので、キャベツの野菜ジュースを飲んだから安心だ!と暴飲暴食をしないようにご注意下さい!
胃もたれ予防で最も大切なのは、自分の食べられる量を把握して、必要なときにセーブすること。
キャベツはあくまでもサポーターで、実際に胃もたれを治すために頑張るのは自分の体だという意識を持って、普段の食事に取り入れるのがおすすめです☆
Text by はむこ/食育インストラクター