12月は行事が重なるので、普段と大きく変わる食生活になる方も少なくないと思います。
しかし、時には目前に迫った行事が苦痛になった経験をされたことのある方もいるのではないでしょうか?
すなわち「胃がもたれて気持ち悪い…」という状況です。
今回はそんな胃もたれを予防する食べ方のお話です。
【もたれるってどういうこと?】
胃もたれ、とごく当たり前のように使っている言葉ですが、実際に体の中ではどんなことが起きているのでしょうか?
これは、胃が体の中で伸びて垂れ下がっているのではなく、胃の中で食べ物がなかなか消化されずに残っている状態を指します。
つまり、胃もたれ=胃の消化機能が低下していると考えて頂くと良いでしょう。
食べ過ぎで消化が追い付いていない場合もありますが、消化機能に問題がなく、一過性のものであれば時間と共に治まることがほとんどです。
ですが、胃もたれは慢性化することもあります。
下記のような点には注意した方が良いでしょう。
①運動不足
筋肉が衰えると胃のぜん動運動も鈍くなり、消化した食べ物を押し出す力が弱まるため、胃もたれが長引きやすくなります。
②ストレス
多くの病気の原因となるストレスですが、ここでも大きな要因として挙げられます。
ストレスで胃炎を発症するというイメージが浸透していますが、ストレスから生じる自律神経の乱れはそれだけ消化器と密接な関係だといえます。
③ピロリ菌
胃潰瘍の原因にも数えられるピロリ菌ですが、胃もたれの原因にもなります。
ただし、ピロリ菌は個人で除去できるものではないので、もしかして…?と思ったら一度病院で検査を受けて下さい。
【食べ物で胃もたれは治せるか?】
胃もたれは消化機能の問題ですので、胃もたれを食べて治すのはほぼ不可能だと考えて頂いた方が良いでしょう。
どんなに胃に優しい食べ物でも、消化するために胃が働くので多少の負担は生じてしまうからです。
したがって、食欲が戻るまで食事はなるべく控えるのが最も良い胃もたれの対処法です。
これはあくまでも一時的な場合であり、常に胃がもたれているように感じるのなら、何らかの疾病を発症している可能性があるので医療機関で診察を受けるようにしてください。
この点から考えて、胃もたれはまず「胃もたれにならないように食べる」ことが大事だといえるでしょう。
胃もたれ予防の食べ方には、以下のものがあります。
- 油っぽいものやアルコールは控える
- よく噛んでから飲み込む習慣をつけ、早食いをしないようにする
- 満腹になるまで食べない(腹八分目を心掛ける)
とはいえ、仕事や行事などが重なると、毎回これらの食べ方を実践するのは難しいかもしれません。
食べ過ぎてしまった次の食事は、よく煮込んだうどんやお粥、主菜は脂の少ない白身魚、副菜には柔らかく加熱した野菜(キャベツやかぼちゃなど、固くないものがおすすめ)を中心に、量を控えめに摂るようにして、胃を労わってあげて下さいね。
Text by はむこ/食育インストラクター