めまいだけじゃない!貧血のシグナルを見逃さないで!

女性が抱える体の不調の1つに『貧血』が挙げられます。
しかし、一口に『貧血』といってもいくつかの種類があり、様々な症状があります。
今回は、食の観点から貧血を見ていきたいと思います。

【貧血の症状】

「貧血=クラクラめまいがする…」というイメージをお持ちの方も多いのでは?
しかし、その他にも耳鳴りや動悸・息切れ、寒気、食欲不振などが起こる事があります。
貧血になると、血液を少しでも体中に送ろうとして心臓や肺に負担がかかるので、健康な状態よりも疲れやすくなります。
激しい運動をした訳ではないのに動悸・息切れを起こす事があるのはそのためです。
また、貧血が進行すると皮膚や粘膜の赤みがなくなり、少し黄色がかってきます

【貧血の種類】

貧血にはいくつかの種類があり、ほとんどはヘモグロビンの原料である鉄の不足によって起こる「鉄欠乏性貧血」です。
月経のある女性に多く見られます。
その他、ビタミンB12や葉酸が不足して正常な赤血球が作られなくなる「巨赤芽球性貧血」(別名:悪性貧血)、感染症・がん・腎臓病・肝臓病など他の病気の二次症状として起こる「二次性貧血(続発性貧血)」などもあります。
貧血症状が続く場合は「二次性貧血(続発性貧血)」という可能性もあるため、早めに病院で検査をしましょう。


 【貧血に効果的な食事とは?】

貧血の種類により対策は異なりますが、今回は「鉄欠乏性貧血」に焦点を当て、お話ししていきます。

●やっぱり鉄!
「鉄欠乏性貧血」の予防・改善には、やはり不足している鉄を補給する事が1番!
鉄は体内で作る事が出来ないのに加え、体内で吸収されにくく不足しがちなミネラルなので、食事でしっかり摂るようにしましょう。
食品に含まれる鉄には、肉や魚などに含まれるヘム鉄と、野菜や果物などの植物性食品に含まれる非ヘム鉄とがあります。
非ヘム鉄はヘム鉄よりも体内での吸収率が低いので、吸収を高める栄養素と合わせて摂るのがおすすめです。

●合わせて摂りたい、たんぱく質&ビタミンC!
たんぱく質やビタミンCは、鉄の吸収を高める働きがあります。
その他、酢や柑橘類の持つ酸味や香辛料にも同様の効果が期待出来ます。

●吸収を阻害するものには要注意!
お茶やコーヒーに含まれるタンニン、加工食品に多いリン酸塩などは鉄の吸収を妨げるので、摂取する量やタイミングには注意しましょう!

食事摂取基準によると、月経のある成人女性は1日に10.5mg、成人男性は7.5mgの鉄の摂取が推奨されています。
また、成長期や妊娠期には筋肉や血液を作るため、より多くの鉄が必要となります。
これは、3食を規則正しく、栄養バランスの良い食事を心掛けることで摂取出来る量です。
無理なダイエットや欠食・偏食はせず食事でしっかりと鉄を摂り、貧血予防の第一歩を踏み出しましょう!

Text by ろい/食育インストラクター