「便秘」は、多くの女性が抱えている悩みのタネの1つです。
今回は、なかなかしぶとい便秘の予防・改善についてのお話です!
【便秘ってどんな状態のこと?】
便秘とは、便の水分が少なく硬い状態で、排便に苦痛や困難を伴う場合を示します。
日本国内でも様々な学会が出している独自の基準がありますが、回数や量には個人差があるため、定義を明確にすることは難しいとされています。
【便秘にも種類がある!】
一般に便秘と呼ばれるのは機能性便秘の事で、習慣的なものは『弛緩性便秘』『けいれん性便秘』の2つに大別されます。
いずれも頭痛や腹痛、腹部の膨満感、食欲不振などの症状が現れます。
●弛緩性便秘
日本人に最も多いタイプの便秘で、腹筋が弱い高齢者や女性、運動不足の人に多く発生します。
<要因>
体質によるものから、神経障害・運動不足・ストレス・食事量の少なさ・食物繊維や水分の不足による腸の刺激不足など様々な要因が複雑に絡み合って起こります。
朝食を抜いたり、食事時間が不規則になったりしても腸のリズムが崩れて便秘がちになってしまいます。
●けいれん性便秘
大腸の一部分がけいれんを起こして収縮し、内容物の通過が妨げられて起こるものです。
弛緩性便秘とは反対に、大腸が過剰に働いてしまう便秘なので、対処法も異なります。
<要因>
ストレスや過労、腸の神経障害などが考えられます。
【腸を刺激して便秘を撃退!】
便秘を予防・改善するには、やはり腸の動きを活発にする事が重要!
今回は食生活におけるポイントをいくつかご紹介します。
①食物繊維を摂る(※弛緩性便秘の場合のみ)
食物繊維は、消化されずに腸内細菌で発酵して排泄されます。
野菜・果物・海藻・豆などの食物繊維の多い食品に加え、水分も積極的に摂ることでより効果が期待できます。
②ビフィズス菌を摂る
ヨーグルトに含まれるビフィズス菌には整腸作用があります。
腸内で増殖・死滅を常に繰り返すビフィズス菌は、ストレスやお酒の飲み過ぎによって減りやすいので、出来るだけ毎日摂るようにしましょう。
③ガスの発生しやすいものを食べる(※弛緩性便秘の場合のみ)
芋・かぼちゃ・栗・豆・バナナなど、腸内で発酵してガスを発生しやすい食品を摂ると腸が刺激され動きが活発になり、排便効果が高まります。
【便秘は「朝」がキモ!】
1日の中で排便の反射が盛んな時間帯は、「朝」という事をご存知でしょうか?
朝食や水分をしっかり摂ることで腸が刺激され、排便を促してくれます。
規則的な排便リズムを取り戻すためには、毎朝決まった時間にトイレに行くのを習慣化するのがおすすめです。
便意はあるにも関わらず我慢してしまうと、直腸の運動反射が鈍くなり、便意を感じにくくなってしまう『直腸性便秘』になってしまう恐れがあります。
忙しい朝はバタバタしていて、ついつい疎かにしてしまいがちですが、少しだけ時間にゆとりを持つと良いかもしれませんね。
便秘は安易に下剤などに頼らず、食事の量や食物繊維の摂取量などをチェックしたり適度な運動を心掛けるなど、日常の一工夫で予防・改善が期待できます。
便秘でお困りの方は、食生活を見直してみると解決のヒントが見つかるかもしれませんよ。
Text by ろい/食育インストラクター