栄養素についてゆる~くお伝えするシリーズ、今回のテーマはマグネシウム。
カルシウムと同じく骨の健康を保つことで知られていますが、そのほかにも大切な働きを担っているミネラルです!
【体を動かす大切な栄養素】
マグネシウムは骨の形成に関わり、骨や歯の中に含まれているものが体内全体の6割ほどを占めます。
丈夫な骨をつくるためにとても重要な存在であることがわかってきています。
マグネシウムが骨の形成のためにどのような働きをしているのかというと、ビタミンDに関わっています。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にする栄養素としてよく知られています。
人間の体内でも合成されていますが、実は体内のビタミンDは不活性された形なので、そのままではうまく働けません。
ここでビタミンDを活性化させるのが、マグネシウムの役割なのです。
その結果、カルシウムの吸収が助けられ、骨をつくることができる…それぞれの栄養素が順番に役目を果たしているので、まるでリレーのようですが、マグネシウムが骨の健康にとって忘れてはいけない栄養素なことがわかります。
では、骨以外の残りの4割のマグネシウムはどこにあるでしょう?
それは筋肉の中や脳・神経などの部位にあります。
マグネシウムの働きの中で大切なもののひとつが、筋肉を弛緩させる効果。
カルシウムが筋肉の収縮に関わっていて、この二つの栄養素が協力し合いながら筋肉を動かしています。
セットで覚えておくとよいですね。
筋肉の動作に関わるので、マグネシウムの不足は運動パフォーマンスに大きな影響を及ぼします。
さらに、筋肉のけいれんやこむらがえりを起こすリスクが高まるので、大きな怪我を招く可能性があります。
また、マグネシウムは発汗で失われるミネラルのひとつなので、運動時の水分補給をするときは真水よりもマグネシウムが含まれているスポーツドリンクなどが適しています。
そのほかにも酵素の活性化や神経伝達など、数々の生理機能に関わり、健康な体を維持するために欠かない栄養素です。
よく運動する人はもちろん、一般的な生活をしている人でも、夏場などに気をつけたいですね。
【多くの食品に入っているけれど…?】
マグネシウムを多く含む食品は、玄米や小麦の胚芽、アーモンドなどのナッツ類や魚介類などがあります。
そのほかにはひじきなどの海藻類にも豊富です。
それ以外のほとんどの食品にも少量ずつ含まれているものなので、和食をベースとした食事内容で三食を食べていれば、極端に不足することはないでしょう。
その一方で、加工食品やインスタント食品ばかりで食事を済ませると、マグネシウム不足になる可能性があります。
これらの食品はマグネシウムの吸収を妨げる要因になるリンを多量に含んでいるためです。
そのほか、大量のアルコールを摂取すると体内のマグネシウムが尿とともに排出されるので、飲酒はほどほどを心がけるとよいですね。
マグネシウムは普段はあまり意識することが少ないミネラルかもしれませんが、とても大事な働きをしています。
よく運動をされる方や、洋食の頻度の多い方でも、適度に和食寄りの食事を召し上がるようにすると、自然とマグネシウムを摂取できるようになりますよ☆
Text byはむこ/食育インストラクター