野菜をたくさん食べると体によいのはなぜなのか?
その理由のひとつに、体のサビつきが上げられます。
今回は私たちの体で野菜がどんな働きをしているかのお話です。
【体のサビとは?】
健康意識の高まる昨今。
体のサビ、というフレーズを耳にする機会は多いのではないでしょうか?
では、体のサビとはどういう状態なのでしょう。
体のサビは正式な医学用語ではありません。
体が金属のように錆びついているわけではありません。
ただし、金属の錆と似ているのが、酸化によって変化しているということ。
具体的には、活性酸素による老化現象が起きている状態です。
人間の体には酸素が必要不可欠です。
活性酸素もまた、体の機能を維持するために大切な存在なのですが、過剰に産生されたり、活性酸素から体内を防御する働きが弱まっていると、あまった活性酸素が細胞を傷つけてしまうのです。
これが「老ける」や「体が鈍る」ことの原因のひとつになっています。
【活性酸素を抑えるには?】
増えすぎた活性酸素が体に悪いものなら、それを抑えたいと思うのは当然ですよね。
体には余分な活性酸素から体を守る抗酸化防御機構が備わっていますが、それにプラスして抗酸化作用のある栄養素を食事で摂るとより効果的です。
抗酸化作用の高い栄養素の例を挙げると、野菜類に多く含まれるβ‐カロテンやビタミンC・Eなどの栄養素や、ポリフェノールなどのフィトケミカルがあります。
野菜をたくさん食べると体によいと言われるのは、活性酸素から体を守り、老化を予防してくれるからなのですね。
【緑黄色野菜だけ食べればOK…?】
厚生労働省・農林水産省では、抗酸化作用の高いβ‐カロテンを多く含む野菜を緑黄色野菜、それ以外をその他野菜として分類しています。
淡色野菜はその他野菜をわかりやすく示した言葉と考えてよいでしょう。
それにしても、この説明だけだと、淡色野菜は緑黄色野菜と比べて栄養が少ない=食べるなら緑黄色野菜の方がお得!と思えますよね。
しかし、淡色野菜もバランスよくとることで、より大きな効果が期待できるとしたら…?
淡色野菜にも、それぞれフィトケミカルが含まれています(※代表的なものではなすの皮に含まれるナスニン、玉ねぎのケルセチン、ごぼうのクロロゲン酸など)。
フィトケミカルはそれぞれ作用が違うので、異なる種類をとる方がベターです。
せっかく体のためによい栄養素を摂りたいと考えるなら、ぜひ緑黄色野菜と淡色野菜をバランスよく召し上がって下さいませ☆
参考までに、厚生労働省の「健康日本21」によると、一日あたり緑黄色野菜は120g以上、淡色野菜は230g以上の摂取を目標としています。
日本の成人でこの値が達成できているのは30%に満たないので、まずは野菜の摂取量を上げることから始めてみてはいかがでしょう。
今回はサビない体づくりに焦点をあてましたが、食物繊維を摂って腸の状態をよくする(※肌荒れ防止・免疫力維持)など野菜を食べるメリットはほかにもあるので、ぜひ意識して召し上がって下さい!
Text byはむこ/食育インストラクター