私たちは日々の食事でエネルギーや栄養素を摂取し、生命を維持したり、身体活動を行っています。
今回は、高血圧やむくみ予防に効果的な「カリウム」についてのお話です。
【カリウムってどんな栄養素?】
カリウムは、私たちの体内ではほとんどが細胞内液に存在しています。
細胞外液に存在するナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ったり、血圧を調整したりして、常に一定したよい体内の状態(恒常性)を維持するのに役立ち、高血圧やむくみを予防します。
また、カリウムの摂取量の増加が、脳卒中の予防や骨密度アップに繋がると考えられています。
【どんな食べ物に多く含まれているの?】
カリウムは、以下の食品に多く含まれています。
果実類→バナナ、アボカド、メロン、ドライプルーン
野菜類→ほうれん草、かぼちゃ
芋類→里芋、じゃが芋、さつま芋
豆類→大豆、納豆や豆腐などの大豆製品、小豆
カリウムは水溶性で、煮たりゆでたりすると水に流出してしまいます。
スープや煮物など、汁ごと食べられる料理にすると、あますことなくカリウムを摂ることができるのでおすすめです☆
【自分に必要なカリウムの量はどれくらい?】
厚生労働省が定めている「日本人の食事摂取基準」は、日本人の1日に必要なエネルギーや栄養素量を示した基準です。
食事摂取基準は、年齢と性別に応じて必要量が定まっています。
カリウムは、以下のようになっています。
まずは体に必要な量として、食事摂取基準の「目安量」を目指しましょう。
国民健康・栄養調査によると、平均でほぼ「目安量」摂れているというデータが出ているので、偏食せずに1日3回の食事をきちんととれば問題ありません。
ただし、欠食をする人や野菜や果物をあまり食べない人は、カリウムの摂取量が少ない可能性があるので気をつけましょう。
また、高血圧を中心とした生活習慣病の一次予防のためには「目標量」として、もっと多くのカリウムの摂取が望まれます。
一般的に、カリウムの過剰摂取はほとんどないと考えられていますが、腎機能が低下している人などはカリウムの摂取に制限のある場合があるので、専門家にご相談ください。
ちなみに、30~49歳女性の目安量は2000mg/日となっていますが、これは何をどれくらい食べたら満たせるのでしょうか?
カリウムを多く含む食材を例に挙げると、以下のようになります。
- バナナ 1本(150g)→324mg
- ほうれん草 1/2束(135g)→932mg
- 里芋 中2個(100g)→550mg
- 納豆 小1パック(30g)→198mg
合計:2004mg
これらをすべて食べると、30~49歳女性の目安量を満たすことができます。
あくまで、今回ご紹介したものは一例で、これだけを毎日食べていれば良いという訳では当然ありません。
皆さんも、いろいろな食材を組み合わせて目安量のカリウムが摂れるよう、工夫してみてくださいね☆
Text by ろい/食育インストラクター