冬が寒いのは仕方のないこととはいえ、体が冷えるのはつらいですよね。
今回は体を温める食べ物についてのお話です。
【冷えと言えばしょうが!だけど…?】
冷え性対策として有名な食品のひとつに、しょうががあります。
さまざまなメディアで紹介されることが多く、ご存じの方も多くいらっしゃると思います。
一方、「しょうがを食べたけれどあまり効果がなかった」、「しょうがは体を冷やすという説を見た」という意見もあります。
しょうがが体を温めると言われる理由は、加熱したしょうがに含まれるジンゲロンやショウガオールという成分が血行促進を助け、血の巡りをよくして手足の冷えの予防・改善に役立つといわれているためです。
ここで注意が必要なのは、血行がよくなる=体が温まるので発汗しやすくなることです。
しょうがは体を温めるが、その後発汗するので冷える(※元に戻す)…つまり、冷えの原因を取り除いてくれるわけではないのです。
しょうがをはじめとした体を温める食品の効果を十分に発揮するには、冷えの原因になる習慣を見直し、冷えにくい体をつくることが大切なのです。
【食事習慣のチェックをしてみよう】
冷えの原因として、食事内容から見直す場合に、チェックしておきたいポイントがあります。
まず1日3食をきちんと食べているか?
食事誘発性熱産生といって、人間の体は食後に代謝が活発になるため、安静にしていても一時的に体温が上がります。
欠食すると当然この恩恵が得られないので、より冷えやすい状態を自分からつくっていることになります。
ダイエット目的の欠食であれば、冷えることでより太りやすくなりリバウンドを招くので、実はデメリットばかりです。
朝などで食欲がわかない場合であれば、温かいスープなど、負担がかかりにくいものから少しずつ口にするように習慣づけておくとよいですね。
また、食事誘発性熱産生はよく噛んで食べることで高くなるといわれるので、早食いを控えるのも効果的です。
そのほか、過度の飲酒は体内の水分のバランスが崩れ、血行がとどこって冷えを招きます。
お酒を飲む場合はほろ酔い程度、翌日に響かないぐらいでとどめておきましょう。
年末年始にかけてはなにかと飲酒量が増えがちなので、冷えが気になる方は忘れないようにしておきたいですね。
【冷えにくい体をつくる食べもの】
冷えの根本的な原因はさまざまありますが、食事と結びつきやすいものに筋力不足があります。
筋肉は体温を維持するために欠かせない存在なので、筋肉量が少ない場合は、体温が低くなり、冷えを感じやすくなります。
運動不足の方はもちろん、女性やシニアの方は筋肉がつきにくいため、冷えのリスクが高いといえます。
適度な運動を習慣化した上で、筋肉の主な材料となるたんぱく質が不足しないように摂りたい栄養素です。
肉・魚・卵・大豆製品などから、毎食1種はとり入れておきたいですね。
冷えにくい体をつくって、しょうがなどの血行促進に働く栄養素を含む食品を食べると、体がしっかり温まりますよ。
しょうが以外では、柑橘系の果物の小房には毛細血管を広げるヘスペリジンが含まれるので、体を温めるのに役立ちます。
とくにみかんは冬が旬なので、価格も安定して手に入りやすいのも嬉しいポイントですね。
冬と冷えは切っても切り離せないものですが、食事習慣から改善できる場合もあります。
冷え予防で特定の食品を食べているのに改善しない!という方は、全体的な食事の内容を確認してみてくださいませ☆
Text byはむこ/食育インストラクター