丈夫な体をつくるのに欠かせない栄養素とは?

4月になり、生活リズムが変わったという方も多いのではないでしょうか?
何かと忙しく、疲れがたまりやすい時期でもあるので、体調管理が重要になります☆
今回は、新年度を元気に過ごすために摂りたい栄養素について考えていきたいと思います!

 【エネルギー源になる栄養素って?】

人間の体は、筋肉や内臓などを動かすときにもエネルギーを消費します。
つまり、生きているだけでエネルギーを消費し、それを補給するために人間は食事を摂らなくてはなりません
エネルギー源となる栄養素は、糖質(炭水化物)・脂質・たんぱく質で、これらを『三大栄養素』と言います。
なかでもエネルギー源として1番使われるのは「糖質」で、体内で1gあたり4kcalのエネルギー源となります。
成人が1日の食事から得るべき糖質は約300gで、これはエネルギー摂取量の約60%にあたります。
たんぱく質は糖質同様、1gあたり4kcalです。
一方で、脂質は1gあたり9kcalと、糖質・たんぱく質の2倍以上のエネルギー源となります。

 【三大栄養素をそれぞれ深掘り!】

●糖質
摂取した糖質は腸から体内に吸収されて、主に脳や筋肉など体の細胞が活動するためのエネルギー源となります。
エネルギーとして消費されなかったあまった糖質は、脂肪として体内に蓄えられます。
また、糖質は同じエネルギー源でも脂質やたんぱく質と比べると、すばやく使えるという特長があります。
このため、フルマラソンやトライアスロンなど長時間の運動には主に脂質が使われますが、400mや800mの中距離走のように短時間の運動には糖質からのエネルギーが使われます。

 ●脂質
脂質は体内で1gあたり9kcalとなり、三大栄養素のうち最も高いエネルギーになります。
脂質には体の中でつくることができない必須脂肪酸が含まれており、体の細胞膜の成分やホルモンの材料などになっています
さらに、脂質は油脂に溶ける脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・Kなど)の吸収にも役立っています。 

●たんぱく質
たんぱく質は体重の約1/5を占め、血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であるとともに、酵素などの生命の維持に欠かせません。
また、エネルギー源として使われることもあります。
たんぱく質は、20種類のアミノ酸のさまざまな配列によって構成されています。
20種類のアミノ酸のうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、体内で合成することができないため、食事から摂取しなければなりません。


【過度な摂取制限はNG!】

「ダイエット目的で糖質や脂質を全く摂取しない」という方がいるのをたまに耳にしますが、これは危険です!
医師と管理栄養士の指導の下、病気の治療や予防のために制限を行う場合はありますが、完全に抜いてしまうと逆に健康を害するリスクが高まります。

 ●糖質不足で起こり得ること
脳の働きが低下し、判断力の低下や注意力の低下、疲労感につながります。
また、体内に存在するたんぱく質や脂質が分解され、エネルギー源として割り当てられます。
これは筋肉を減少させてしまうことにもつながるので、過度な糖質制限には注意が必要です。

 ●脂質不足で起こり得ること
ホルモンバランスの乱れ、エネルギー不足、体力低下、皮膚炎、脳出血を引き起こす可能性があります。

 どんな栄養素も過剰な摂取や制限は、健康の妨げになってしまいます。
各栄養素の必要量は年齢や性別などによって異なりますが、食事摂取基準を見れば知ることができます。
ご自身の健康のために、各栄養素の必要量を知っておくのもよいかもしれませんね☆

Text byろい/食育インストラクター