咳は季節問わず、誰にでも起こりうる身近な症状のひとつです。
ゴホゴホつらい咳は、抑えようと思ってもなかなか止めることができず、厄介ですよね・・・。
そこで今回は、咳の緩和に効果的とされる「はちみつ」にスポットをあて、お話ししていきます☆
【咳のメカニズムを知ろう】
咳は、ほこりやウイルス、細菌などの異物が体に入ってこないように働く防御機能です。
気道内に侵入した異物は、気道にある咳受容体を刺激し、その信号が脳にある咳中枢に伝えられ、咳が出ます。
異物のほかにも、気道に炎症が生じたり、気道にたまった痰を出すために咳が出ます。
咳中枢は、大脳皮質によってコントロールされているため、心因性ストレスによって発生することもあると言われています。
いずれの場合も、咳が悪化すると十分な睡眠がとれなくなったり、体力が消耗してしまうので、早めの対応を心掛けましょう!
【咳は侮れない・・・!】
咳は、1回で約2kcal消費すると言われています。
1日中咳が続いていれば、あっという間に1000kcalほどエネルギーが消費し、体力を消耗させます。
咳は睡眠不足や気管支の炎症を引き起こすだけでなく、何度も強く咳き込むと肋骨が折れる可能性もあります。
(私も以前、咳が原因で肋骨にヒビが入り、痛い思いをしました・・・。)
強い咳が出る場合には、身体への負担を考え、薬で咳を抑えた方がよいという考え方もあります。
咳の種類や症状によって薬が異なるため、咳が長引く場合には安易に市販の咳止め薬を服用するのではなく、病院で診てもらう方がよいでしょう。
【あなたはどのタイプ?咳の種類を見てみよう!】
咳にはいくつか種類があり、それぞれ原因が異なります。
今回は、代表的な3種類をご紹介します。
●乾いた咳
コンコンという痰の絡まない、いわゆる「乾いた咳」は、風邪のひきはじめに見られ、次第に痰の絡んだ咳に変わっていきます。
乾いた咳が長引く場合は、風邪ではないケースもあるので要注意です!
心臓血管系・消化器系・婦人科系・泌尿器系・神経系の病気や精神的な不安・ストレスなどが隠れている可能性があるため、早めに受診し原因を調べた方がよいでしょう。
●湿った咳
ゴホゴホという痰の絡んだ、いわゆる「湿った咳」は、痰を出そうとして起こる生理的な反射です。
気道には繊毛(せんもう)という微細な毛が生え、普段から分泌物を気道の外に押し上げ気道を清潔に保つために働いていますが、炎症により痰の分泌が増加すると咳反射を起こして痰を排出します。
●犬が吠えるような咳
ケンケンと犬が吠えるように聞こえる咳は、風邪に似た症状から始まり、急激に喉の奥に炎症が現れるのが特徴です。
喉やその周辺が腫れることで、気道(呼吸のための空気の通路)が狭くなり、特徴的な咳が出るようになります。
もともと気道が狭い子どもは、喉の炎症から呼吸困難などに進展する可能性があります。
【「はちみつ」パワーで咳を緩和しよう!】
「はちみつ」は、いまや食用としてはもちろん、高い保湿力や抗菌・殺菌効果があることから、化粧品などでも活用されています。
その歴史は古く、なんとあの“クレオパトラ”が食用だけでなく、肌や髪に塗るなど美容にも使っていたようです・・・!
最近では、マヌカの花から蜜を集めた「マヌカハニー」に、より強い抗菌作用があり、咳や喉の炎症の緩和に役立つのではないかと注目されています。
はちみつはお湯に溶かして飲むだけでも咳に対する効果は期待できますが、相乗効果を期待して食品を組み合わせるのもおすすめです☆
例えば・・・
●はちみつ+紅茶+しょうが→はちみつジンジャーティー
紅茶やしょうがにも抗菌作用があり、一緒に摂ることでより強い効果が期待できます☆
●はちみつ+ブロッコリー+オリーブ油+塩・こしょう→ブロッコリーのハニーサラダ
咳を鎮めるには、免疫力を高めるビタミンCを摂ることも効果的です。
加熱してもビタミンC含有量が多いブロッコリーを、はちみつ入りのドレッシングで和えるだけのお手軽レシピです。
ミニトマトを加えると、彩りがよくなる上、強い抗酸化作用があるリコペンも摂れます☆
はちみつは、基本的に加熱処理をしていない自然そのままの食品です。
そのため、ごくまれにボツリヌス菌が入り込んでしまうことがあります。
1歳未満の赤ちゃんはまだ抵抗力が弱く、はちみつを食べるとボツリヌス菌に感染し「乳児ボツリヌス症」になってしまうことがあります。
厚生労働省から「1歳未満の乳児にはちみつを与えないように」と注意勧告が出されているので、“はちみつを与えるのは1歳を過ぎてから”にしてください。
今回は食の観点から、咳の緩和を考えていきましたが、「十分な休養をとり、寝るときは、横向きで気道を確保する」「部屋を加湿する」なども有効です。
咳は、食事や生活習慣を見つめ直すと、緩和させる糸口が見つかるかもしれません。
はちみつなどの抗菌作用がある食品をとりいれて、咳と上手く付き合っていきましょう!
Text by ろい/食育インストラクター